ザ・ラグビーチャンピオンシップを姫野和樹が展望 「勝敗を予想することすら酷」
世界に冠たる強豪国が持ち前のフィジカル、スキル、インテリジェンスで真剣勝負を繰り広げる「南半球4カ国対抗戦 ザ・ラグビーチャンピオンシップ」が、いよいよ明日8月10日(土)に開幕する。 今回は、大会の全6節、12試合を独占放送・ライブ配信するWOWOWが、2019年・23年W杯に連続出場し、23年W杯では日本代表キャプテンを務めたトヨタヴェルブリッツのFL/No.8姫野和樹にインタビューを敢行した。 2021年にスーパーラグビーのハイランダーズでプレーしニュージーランドのラグビーを経験したほか、日本代表の中心選手としてニュージーランド、南アフリカ、アルゼンチン、オーストラリアと対戦してきた経験豊富な姫野選手ならではの視点で大会全体と各チームの印象、注目選手、そして優勝予想などを語った。
──姫野選手はザ・ラグビーチャンピオンシップをどのような大会だととらえていますか? 「世界で一番レベルが高い大会ですね。もちろんシックス・ネーションズ(欧州6カ国対抗戦)もハイレベルですが、ザ・ラグビーチャンピオンシップはたとえばニュージーランドらしさ、南アフリカらしさなどそれぞれ違ったタイプのラグビーが繰り広げられ、それぞれの特色やおもしろさがあります。また、昨年W杯で対戦したアルゼンチンは年々強化が進んでいる印象がありますし、オーストラリアも低迷していたものの素晴らしいポテンシャルのあるチームです。今大会はどこが勝つかわかりません」 ──姫野選手が特に思いを寄せるニュージーランドは、スコット・ロバートソン新HC(ヘッドコーチ)が就任しました。どんなチームになったと感じていますか? 「オールブラックス(ニュージーランド)のスタイルは変わらないと思います。ただ、そこにディテールが詰められている感じはしました。アンストラクチャー(陣形が整っていない状態)に強いのがニュージーランドラグビーの特徴で、その状況をどう作るかを考えてラグビーを構築しているなと感じています。そしてそれを体現できる選手が揃っていますので、相手をどう崩していくか、自分たちの強みをどう出していくか、といったことを理解している印象を受けました。 HCのやりたいことをすでに理解している選手がいるのは代表として強みになると思います。今はまだ(新体制が)始まったばかりなのでこれからが楽しみですが、ハイランダーズからはPRイーサン・デグルートしか選ばれていないのが個人的には気になるところです」 ──姫野選手とハイランダーズで一緒にプレーしたPRデグルート選手は代表に定着してきました。 「僕がハイランダーズに入ったころ(2021年)はまだ彼はオールブラックスではありませんでしたが、その体の強さにびっくりしました。ものすごくポテンシャルがあり、ハングリー精神も強い選手なので、最初に代表に選ばれたときはすごく嬉しかったです。今こうしてポジションを確立している姿を見ていても素晴らしいと思います」