ザ・ラグビーチャンピオンシップを姫野和樹が展望 「勝敗を予想することすら酷」
──元チームメイトのFBウィリー・ルルー選手は、年齢を重ねた現在も引き続き素晴らしいパフォーマンスを見せています。 「彼はたぶん45歳くらいまでプレーできるのではないでしょうか(笑)。とにかく仕掛け方や人を生かす能力に長け過ぎていて、年齢を重ねて経験値を増したことで彼の強みにどんどん磨きがかかっています。調子もいいですし、さらなる活躍を期待しています」 ──他にも注目選手がいればお願いします。 「やはりキャプテンのFLシヤ・コリシですね。恵まれない境遇から苦労して栄光をつかんだ姿に僕自身も感じるものがあります。キャプテンですし、あのチームをまとめるのは並大抵のことではありません。常に応援し、注目している選手です」 ──続いて、昨年の前回大会で3位に入ったアルゼンチンの印象を聞かせてください。 「一度乗せると本当に厄介なチームです。自分たちのパッションを自ら出してきます。それによっていいプレーをさせてしまうと相手のエネルギーまで奪い、どんどん乗ってくるようなチームだと感じています。 彼らに勝つには前半、つまり早い段階からシャットアウトしなければなりません。ですから今回のザ・ラグビーチャンピオンシップも最初(第1節のニュージーランド戦)が大事になると思います。試合序盤に彼らがどれだけペースをつかめるかにかかっています。 チームを支えているのは強いFWです。FWから自分たちのエネルギーを作っていると感じます。僕らも昨年のW杯では前半こそ彼らを抑えることができましたが、その後はFWから流れを変えてきました」 ──前回大会の3位からさらに順位を上げる可能性はあるでしょうか? 「直近の試合を見ていてもどのチームも強化が進んでいますので、本当にわかりません。わからないからこそザ・ラグビーチャンピオンシップはおもしろいわけです。どこが勝ってもおかしくないですし、混沌とするのではないかと思います」 ──注目選手は、やはり……。 「No.8パブロ・マテーラですね。アルゼンチンの心臓ですね。昨シーズンのリーグワンは終盤に(23年W杯のケガから)復帰しましたが、すべての試合で溌剌としたプレーでインパクトを残していました。彼がいいプレーをするとチームも乗ってくるような、本当に素晴らしい選手だと思っています。 あとはLO/FLマルコス・クレメルです。ビッグタックラーで、彼のタックルは一番受けたくありません(笑)。彼にインパクトのあるタックルをさせるような試合になるとアルゼンチンのペースになります。マテーラも同じくですね」