国保料、100万人は損しているかも?「所得税ゼロ」でも申告を。〈減額制度〉を正しく利用するポイントを解説
◆さかのぼって減額もあり得る そして見落としがちなのが「高齢者特別控除15万円」と太田氏。 「所得税や住民税を計算する時の年金所得は、年金収入-公的年金等控除=所得ですが、65歳以上で国保料の減額制度の場合(年金収入のみ)は、国保法に基づき『年金収入-公的年金等控除-15万円(高齢者特別控除)=所得』となります。例えば年金収入120万円のみの場合、120万円-110万円(公的年金控除)-15万円(高齢者特別控除)=マイナス5万円=所得ゼロとなります。応益割(均等割)7割減額の適用になるでしょう」 国保料決定通知が来た際、計算式のどこかに世帯所得が記載されているはずなので、自分が申告しているものと同一かという確認をしておきたい。 さて太田氏のもとに時折、国保料滞納で相談に訪れる人がいるという。所得無申告で減額制度が適用されていないような場合は、自治体窓口に行かせて「さかのぼって適用してくれませんかと言うように」とアドバイスしているそうだ。 「地域によって国保料でなく国保税といわれることがありますが、一番の違いは『時効』です。保険料なら2年、保険税の場合は5年、さかのぼって減額適用してもらえる可能性がありますよ」 ※本稿は、『国民健康保険料が高すぎる!-保険料を下げる10のこと』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。
笹井恵里子