「新井(貴浩)監督が怒ってないことを祈ります」侍ジャパンで大爆発の小園海斗(広島)に坂倉将吾捕手がツッコミ「シーズン中にやれよって」
坂倉が振り返った“痛恨の一発”
そう語った坂倉にはその直前の守りで、痛恨と振り返る場面があったのだ。 先発の高橋宏斗投手が4回8奪三振と完璧な内容で米国打線を完封。その後を受け、5回から2番手としてマウンドに上がった隅田知一郎投手(西武)が、先頭打者に食らった先制弾となる一発だった。 「最後にチェンジアップでというのを描いていて、球質を速い順にしていこうと真っ直ぐ、フォークと……失敗しました」 米国の6番打者、C・トーマス外野手への初球ストレートをファウルした後の2球目だった。そのフォークを左翼上段まで飛ぶ特大本塁打されてしまった。投手戦だった4回までの均衡を破るこの一発に、スタンドは一瞬声を失い球場は静寂に包まれた。
「ごめん。オレのミスだった」
「あの回が終わったところですね。僕が配球のことで話をしようと、ベンチに戻ってきたバッテリーのところに行ったときです」 こう語るのは村田善則バッテリーコーチだった。 「ごめん。オレのミスだった」 坂倉がこう言って隅田に頭を下げると「フォークはああなる危険性があるので使うのをやめて、縦というより奥行きを使って勝負していこう」と今後の配球について相談をしていた。 「キャッチャーとしてやるべきことをしっかりやってくれていた。ああ大丈夫だなと思って、僕は口を挟むのをやめました」 昨年のアジアプロ野球チャンピオンシップで代表初招集されて以来、坂倉にとっては2度目のジャパンのユニフォームだ。もちろんそこには井端弘和監督のジャパンの司令塔として勝負の場数を踏ませたいという期待が込められている。 「やっぱり前回は初めてということもあったと思います。しかしジャパンで場数を踏んできて、今回は落ちつきみたいなものは出てきているのをベンチでも感じますね」 こう語るのは村田コーチだ。 「前回は少し彼自身がフワフワした感じで座っていたけど、今回は準備をしたことを頭に入れながら、しっかりした状態で座っている感じはしますね」 試合前のミーティングで指示されたメモを毎回、見返しながら次の回に備え、何より貴重なのはこの大会でも初戦からこれで5試合目の先発マスクを被ってきた経験だ。 「外国人の打者は一発があるので、それをソロで止められるように。打たれないで、と考えると苦しくなってしまうので、打たれてもソロ。今日はこっちに3ラン、2ランで3点、3点と入ったように、ああなると苦しくなるのでとにかく1点で抑えること。複数得点を取られないというのを意識してやっています」
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