「みんなに好かれたいのに」「私ならもっとできるのに」なりたい自分と本当の自分。理想とのギャップに苦しむ人が辞めるべき、考え方のクセ
「自己愛」という誰でも持っている、ある種のナルシシズムを適正に保てるようにするには、どうしたらいいのでしょうか? 過去にこだわり続ける人は、自分自身が過去に受けたひどい仕打ちや、辛かったことを忘れられず、「あのことで、私がこうなってしまったんじゃないの⁉ あの人(もしくは、あの人たち)が悪い!」という、他に責任転嫁するという外罰的な思考になってしまいます。外罰的思考自体が悪いわけではなく、それが「いつも」になってしまうと危険です。若干厳しめに言えば、責任転嫁がさらに進んで責任放棄になってしまうのです。 【データ】10人に1人が、配偶者からの繰り返しDVを受けている
なぜ責任を放棄してしまうのか?
過去にこだわりすぎる自己愛の強過ぎる人は、自負心もしくはプライドだけが高すぎて、「こんなに優れた私が、うまくいかないはずはない!これは、私以外のものに責任があるに違いない!」と思い込んでしまいます。そうなると、過剰な自己愛、ナルシシズムの壁に突き当たることになります。
現実との折り合いの付け方は?
自己愛自体は誰にでもあって、むしろ生きていく上での糧でもあるのです。自分自身を愛することができなければ、他の誰かを愛することもできません。さらに生きていく気力も湧き出ません。 自己評価が低過ぎるのは問題ですが、自己評価が高すぎて「私は他の人とは違う特別な存在!」と思っている人は、自己愛が過剰なナルシストなのです。しかし、これが表に出過ぎると社会的に受け入れられることが難しくなってしまいます。だから私たち自身の脳は、その自己愛を抑制する力を持っています。つまり自己愛は、本人の心の無意識の中では強烈に存在していても、多くの人は自分自身では気づかないようになっています。しかし、自己愛が強過ぎる人は、仕事や人間関係などでトラブルになり、受け入れてもらえなかった時には、現実と深層心理の強い自己愛がぶつかるようになり、「こんはずじゃない!私がこんなにダメなはずがない!」という強い葛藤が出てきてしまいます。この時、本人にとっての心の状態はとても苦しいものになってしまうのです。