“世界のFUNAI”船井電機 異例づくめの破産劇「300億円」資金流出か… 消えた金の内訳判明「名門終わらせない」事業再生への動きも【news23】
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“世界のFUNAI”と呼ばれた家電メーカー・船井電機の経営破綻。「今月分の給料は出ません」。500人以上の従業員は突然、解雇されました。その裏側で一体何が起きていたのでしょうか。 【写真を見る】“世界のFUNAI”船井電機 異例づくめの破産劇「300億円」資金流出か… 消えた金の内訳判明「名門終わらせない」事業再生への動きも【news23】 ■元社員「“FUNAIブランド”がなくなってしまうのがショック」 東京地裁が受理した破産事件記録、事件番号(フ)第7200号。その債務者の欄には「船井電機」と書かれています。 10月、破産手続きの開始決定を受けた大阪・大東市の船井電機。ここで働いていた500人以上の社員が突如、職を失いました。 破産手続きの開始決定が出た10月24日は、実は給料日の前日。社員は急遽、本社食堂に集められ、その場でこう言い渡されたといいます。 説明会に同席した弁護士 「みなさんはきょう付で解雇ということになります。申し訳ありませんが、今月分の給料は出ません」 突然の解雇通知に、社員らも戸惑いを隠せませんでした。 船井電機の元社員 「もう笑うしかない。起きたことは仕方がない」 「何も考えていない状態で破産と聞いた。生活の不安もあるし、“FUNAIブランド”に誇りはあるし、それがなくなってしまうのが自分の中ではショック」 ■一世を風靡した船井電機…なぜ業績が悪化し、迷走したのか FUNAIブランドで一時代を築いた船井電機は、1961年、ミシンの卸売業を営んでいた船井哲良氏が創業しました。 1990年代に入り、テレビとビデオが合体した「テレビデオ」で一世を風靡すると、2000年代には「液晶テレビ」の生産を開始。 高機能ではないが、低価格で品質は悪くない──そんな特性が支持され、北米でトップシェアを獲得するなど、一時は大手メーカーをしのぐ利益率を誇る企業に成長しました。 1代で世界の船井を築き、カリスマと呼ばれた哲良社長は1999年、取材に次のように答えています。 船井電機 船井哲良 社長(当時) 「こういう機会を通じてできるだけ皆さんに説明して、株主からのいろんな意見を参考にしながら経営を進めていきたい」