なぜラグビー日本代表は格下のポルトガルに苦戦したのか…中野らテストした新戦力に収穫も
ラグビーの日本代表は現地時間13日(日本時間14日)、敵地エスタディオ・シダーデ・デ・コインブラでポルトガル代表と対戦。世界ランクで日本を9つ下回る19位の相手に38―25と辛勝した。2021年の初勝利を挙げたが、最後まで観る者をひやひやさせた。31―25と6点リードで迎えた後半37分、逆転されかねぬピンチを迎えた。 終始空中戦で光った相手ウイング、ロドリーゴ・マルタがランとキックで魅せる。日本代表は、自陣ゴール前中央で相手ボールスクラムを与えた。 その直前、途中出場した最前列の両プロップが退いていた。チーム随一の組み手である右の具智元が怪我で退き、先発のヴァルアサエリ愛がカムバック。左の中島イシレリは、チームの「反則の繰り返し」でイエローカードをもらっていた。イエローカードは、10分間の一時退場処分を意味する。先発のクレイグ・ミラーを戻す代わりに、ナンバーエイトにいたテビタ・タタフが下がる。 選手は確認した。 「スクラム、7人!」 ボリュームダウンした塊でスクラムを耐え、その後の猛攻もしのぐことになった。 幸運だったのは、相手の最初のパスがやや後方へそれたことだ。ここから日本代表は粘る。 この日ラインアウトを支えたロックのジャック・コーネルセン、出戻ったヴァルが、突っ込んできた敵から球を奪った。 直後のロングキックで陣地を挽回してからも、ポルトガル代表の反撃にさらされた。24分に登場のスクラムハーフ、齋藤直人が「ノーオフサーイド!」と規律遵守を促す。数的優位を作られながら、フルバックの山中亮平がインターセプトからだめを押した。 辛勝により安堵。ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチは試合後にこう語った。 「ポルトガル代表はしつこくタフなチームとしていいプレーをした。我々はイエローカードが計2枚。ペナルティが多いと、チームを建て直すのは難しい」 指揮官の言葉通り、苦戦の要因は反則過多にあった。日本協会の記録によると、日本代表は反則数(フリーキックを除く)を相手より「7」多い「15」とした。