K-POP名MC古家正亨さんが考える、私たちが韓国にハマる理由とは?「K-POPの仕事現場はクセになるんです」
2003年、韓国ドラマ『冬のソナタ』のブームをきっかけに、日韓の距離が一気に縮まりました。でも、この出来事が歴史の教科書に載るかというと、載らないんですよね。「ヨン様のおかげで日本人の対韓感情が変わりました」なんて書かれないじゃないですか。だけど、その時に生きている人からすると、そこで日韓が近づいたのは事実なんですよ。 そういった、その時その瞬間にそれぞれの国の一般の人たちの間で起こったことを、僕は大事にしようと思っているんです。国やメディアからは語られない歴史を語り継ぐのが、自分の役目だと思っています。
古家さんが思う韓国の面白さは「日本との違い」。外見はよく似ていても、「全く違う国だ」と日々実感するといいます。
韓国の人は、仕事の進め方や価値観が日本とは全く違います。日本は80点主義ですよね。リスクを冒さず、だいたい平均点くらいを維持すればクビにならないという。 韓国は極端なんですよ。100点を求めるんです。僕はその韓国のやり方に惹かれるんですよね。なぜなら、バッチリ決まった時にはすごいものができるから。なんだけど、100点を目指すとリスクが大きいので、0点もいっぱいある(笑)。 MCも、無難にやろうと思えばどうにでもできます。でも、韓国の人はそれを求めていないんです。何をするにしても、冒険しようとするんです。リスクを冒してまでもとにかくまずはやってみるという思いに向き合ってくれるのが、韓国の人たちです。その仕事のスタイルが楽しいですし、クセになりますね。
韓国は「ヨルチョン」の国
古家さんをとりこにした韓国が、今、日本中のK-POPファンの心もつかんでいます。なぜ今こんなにブームになっているのでしょうか? と聞くと、「僕も知りたいですよ」と笑いながら、こう答えてくれました。
韓国語に「ヨルチョン」という言葉があります。漢字に置き換えると「熱情」、つまり情熱のこと。韓国の人たちを言葉で表すと、まさに「ヨルチョン」だと思います。とにかく何においてもパッションがあるんです。 K-POPの激しいダンスパフォーマンスもそうですし、韓国ドラマを観ていても「なんでこんな大声出して喧嘩してるの?」「なんでこんなオイオイ大声で泣いてるの?」と思うじゃないですか。 僕らは、韓国の感情の表出に憧れがあるんだと思うんです。日本人も本当は思いっきり泣きたいし、思いっきり叫びたいんじゃないでしょうか。思いっきり恋人と喧嘩して水をかけ合いたいとか(笑)。いろんな思いがあると思うんですよ。 僕は今の時代、日本人も、空気を読むところでは読むとして、その必要がない場では感情を表に出していいんじゃないかなと思っています。これだけグローバルな世の中になったんですから、日本における価値や習慣を、外にまで出て押し付ける必要はないと思うんです。