パウエル議長再任決まったFRB 新体制はタカ派? ハト派? 量的緩和終了は早まるのか
●量的緩和終了は早まる?
将来の政策金利見通しを反映するFF金利先物は2022年6月の初回利上げをほぼ織り込み、2023年1月までに3回の利上げを織り込んだ水準に上昇しました。FRBが11月に示した計画は来年6月に量的緩和が終了するというものでしたが、そうしたスケジュールは前倒し観測が高まっており、金融市場では来年半ばの利上げ開始が中心的な予想になりつつあります。12月15~16日に開催されるFOMC(連邦公開市場委員会)では、量的緩和の早期終了が中心的なテーマの一つになりそうです。 もっとも、筆者は金融市場参加者が予想するほど早期利上げの可能性は高くないと考えています。FRBの中枢メンバーは経済の正常化プロセスをじっくりと精査し、早期利上げによって景気が落ち込むことを警戒するとみているからです。初回利上げを来年末ないし2023年前半まで待つ可能性は低下したとはいえ、来年半ばの利上げ開始に向けて動きだす可能性は現時点で低いように思えます。
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