逮捕状握り潰し「ほとんど後追いがなかった」伊藤詩織さん会見7月20日(本文4完)
海外メディアが果たした役割は
週刊新潮:『週刊新潮』の田中です。長い間お疲れさまでした。先ほど後追い報道の話があったんですけども、本件、海外のメディアでも大きく取り上げられたことが大きかったのかなというふうに思います。海外メディアの反応であるとか、海外メディアが果たした役割について伺えますか。 伊藤:すごく今でもよく覚えているのが、ニューヨーク・タイムズで記事が出たあとに、毎日新聞だったんですけど、ニューヨーク・タイムズで報じられたっていう記事が出たんですよね。幸いなことに、やはりこれを一事件としてカバーすることがすごく難しかったといろいろな記者さんから聞いて、これをしたくても、やっぱりデスクに止められてしまったっていうことを聞いたときに、事件としては語れないけど、例えば本の書評であったりという中ではできた。なので、枠も、皆さんすごい工夫されていたので、海外で報道されたっていうことを逆輸入して報道していた記事を見たときに、ここまで工夫しないと言えないことなのかっていうところにもまた驚いたと同時に、私たちは国内で、やはり報じづらいことであったり言論しづらいことって、どの国にもあると思うんですよね。 そういったところで、やはり外のメディアから、外にいる者からアクションができる、または報道できるっていうやり方もやはりあるんだなと、私もそれですごく学んで、そのあとにBBCとドキュメンタリーを作ったりだとか、ほかの国でも、シエラレオネでFGMって、そこの土地では話しづらいけど、私たち外の人間だからこそ伝えられることがあるよねっていうことを感じたりはしたので、そこをどういうふうにお互いの立場を利用していくか、良い意味で。発信できないことがあったらどういうふうに、じゃあ外の目を入れていくかっていうことはすごく重要なことなので。今はやはりネットでいろいろな記事が読めるようになったので、そういったことはどんどん利用して、私たちが内側で報じられないのであれば、どういったやり方があるのかっていうことをすごく考えられるきっかけにはなりました。実際に取材をされてみて、後追いがなかったことに対しては、ご本人はどう思いますか。いろんな記事を書かれて。 週刊新潮:後追いがまったくなかったとは思いませんけども、やっぱり自分も知り合いの社会部の記者さんなんかと話していても、詩織さんがおっしゃっているとおり、なかなかストレートに報じるのは難しいというところはあるんだなというのはよく分かりました。 司会:ほか、どなたかいらっしゃいますでしょうか。じゃあ塩田さん。