逮捕状握り潰し「ほとんど後追いがなかった」伊藤詩織さん会見7月20日(本文4完)
もう少し後追い取材があっても良かったのでは
東京新聞:だから、いわゆる記者クラブ記者と権力側の、言い方は悪いですけど、癒着とか、その関係性において、もしかしたら逮捕令状の執行取り消しを中村さんが判断した可能性が非常に高いと私はずっと思ってるんですけれども。不起訴のあとも、菅さんが関係者の知り合いの方に彼の面倒をお願いしてたりですね。官邸が丸抱えで、やはり山口さんという存在をバックアップしているように見えるところもありました。そういう記者クラブ、特に記者クラブメディアの記者と権力との関係性、いろいろ、事件で感じたことたくさんあったと思うんですけど、そこについてやっぱり今、詩織さんが思うことですね。 伊藤:本当に『週刊新潮』の中でいろいろな記事が出ましたよね。その1つが顧問のことだったと思うんですけど。その報道が出た直後に取り消されたということは、やはりそこに不都合なことがあったんだと推測、私はしています。もしそこになんの曇りもなかったら、そのまま続けていられる仕事だと思いますし、きっと報道の中で何かしら思い当たるところ、そして言い返せない、説明できないところがあったから、そういった顧問契約が取り消されたと推測するので、そういったところに対してはきちんと説明がされるべきですし、すごく感じたのは、もう少し後追い取材があっても良かったんじゃないかなとやはり思います。本当にこのケースについては『週刊新潮』の田中記者がいろいろなことをカバーしてきましたけれども、最初の記事が出たときも本当に、中村氏が逮捕状を執行するなと言ったっていう記事も出たときも、ほとんど後追いがなかったんですよね。それはなぜだろうと。後追いがあったのが、地方紙であったりだとか。 私たちは、これはすごく大きなことだと思っていたので、きっとそういったことがあるはずだと。もちろんもうすでにカバーされたことかもしれないけど、やはりそのまた一歩をカバーできるところっていうのは記者クラブしかできないこと、たくさんあると思います。そういった記者クラブに入れない、地方紙だって、ウェブメディアができるところにも限界があると思うので、そういった仕組みを私たちは理解しながら、利用しながら、伝える側としてしっかりと仕事をしていかなければいけないんじゃないかなと思います。 司会:どなたか、あ、田中さん。