伊藤詩織さん「本人の前で言えるのか」 ネット上の誹謗中傷、漫画家らを提訴
元TBS記者から性的暴力を受けたとして損害賠償を求める訴訟を係争中のジャーナリスト・伊藤詩織さんが8日、記者会見し、問題を公にした2017年以降、インターネット上で誹謗中傷や自身や、家族へ危害を加えるとの内容の書き込みが数多くあったことを明らかにしたうえで「相手が見えないので、その中で70万件と聞くと、道を歩いている人、どのくらいの人がそう思っているのか、本当に怖くなってしまう」と訴えた。 【会見ノーカット】ジャーナリストの伊藤詩織さん会見 ネット上の誹謗中傷で提訴
会見で伊藤さんは同日、ツイッター上で自身を連想させる漫画を投稿した漫画家のはすみとしこ氏と、はすみ氏の投稿をリツイートした男性クリエーターと男性医師に対して損害賠償を求める訴訟を東京地裁に提起したことも発表。また、70万件に上る誹謗中傷の書き込みなどがあることを把握しており、順次提訴していく姿勢も示した。 伊藤さんは「性暴力被害を公にすることで声が聞こえてくるのはある程度予想はしていたものの、どれくらい影響があるのか計り知れないことだった」と発言。「(ネットを)見なければ良いとの声があるが、生活の中でインターネットを欠かせない。通勤路、通学路のようなものでそこを見るな、通るなは難しい」と述べた。 伊藤さんによると、誹謗中傷に対して何らかの対応をした方が良い、と周囲から初めて言われたのは2年前。しかし、当時は「エネルギーがなく、(誹謗中傷の)言葉に対して真正面から向き合って争うのが辛かった」という。しかし、「1、2年経っても(悪質な書き込みが)拡散されることを見て、我慢すればいいのではなく、アクションしなければ止まらない」と思うに至った。「その中で(亡くなったプロレスラーの)木村花さんの事件を耳にし、本当にショックだった。急ぎ足で訴訟をスタートすることとした」と説明した。 そして、インターネット上で書き込みをする人々に対し、「本人の前で責任を持って言えるのかを言葉を発する前に考えていただきたいというのが願いです」と述べた。