インフルエンザに酷似...。中国で急増中のウイルス「hMPV」とは?重症化リスクのある子どもや高齢者は要注意。米医師が解説
インフルエンザに似た症状を起こす呼吸器系ウイルスによる症例が中国で急増中だ。ヒトメタニューモウイルス(hMPV)は中国北部、特に子どもたちの間で感染が広がっており、同国の疾病管理局は予防策を講じるよう国民に強く要請している。他国にも影響を及ぼすのではないかと多くの疑問が巻き起こっている。 【写真】今すぐ免疫力アップ!インフルエンザ予防に「食べるといい」ものって? hMPVは一般にはあまり知られていないが、新しい病気ではない。昨年、アメリカでもhMPVの症例があった。感染病専門医はまたパンデミックが起こる可能性は低いと言うが、hMPVの症状や治療法について多くの疑問がある。そこで、専門医たちに聞いてみた。 お話をうかがった専門家/トーマス・ルッソ医師(ニューヨーク州立大学バッファロー校感染症専門医)、エイミッシュ・A・アダリャ医師(感染病専門医でジョンズ・ホプキンス・センター・フォー・ヘルス・セキュリティーの上席研究員)
hMPV(ヒトメタニューモウイルス)とは?
CDC(アメリカ疾病管理予防センター)によると、hMPVは上気道&下気道の病気を引き起こすウイルスのこと。誰でも感染する可能性があるが、特に低年齢の子どもや高齢者、免疫システムが弱くなった人はより重症化するリスクがある。 hMPVが発見されたのは2001年。CDCによると、RSウイルス(RSV)と同じ種類だという。「hMPVは普通の風邪の原因となるウイルスの一つです」と、感染病専門医でジョンズ・ホプキンス・センター・フォー・ヘルス・セキュリティーの上席研究員のエイメッシュ・A・アダリャ医師。また、ニューヨーク州立大学バッファロー校の感染症専門医のトーマス・ルッソ医師も「一般的な風邪のウイルスと同様に、普通の風邪から肺炎まで、多種多様な病気を引き起こす可能性があります」と解説し、「多くの場合はコロナやインフルエンザ、RSVほど重症ではありません」と述べた。 分子検査(PCR)や抗原検査でウイルスを判定できるが、それは病院内の診断委員会でしか使われないのが普通だとルッソ医師は言う。