ますます深まる謎…ウイルスから考える「まぎれもない生物」と「明らかな無生物」のはざま
化学進化と生物進化の境界
こうしたことを考えてみると、どこまでが化学進化(非生命の進化)で、どこからが生物進化(生命の進化)なのかもわからなくなってきます。多くの生物学者はウイルスを無生物としていて、共通の祖先以降の、私たちと同じ生命システムを有するものの進化を生物進化と考えますので、化学進化/生物進化の境界は明瞭に線引きできます。 しかし、もしもウイルスが私たちとは別の生命形態として進化したものだとすれば、化学進化/生物進化の境界は、もっと前に遡ることになるでしょう。 このように現在の地球においても、「1」(生命)と「0」(非生命)の区別は、実はそう簡単につかないことがわかります。そのような状況で、地球外に生命がいるかどうかなど、どうやって調べたらいいのでしょうか。 続いては、これまでに行われた地球外生命の探査j活動から、生命の連続性を考えてみます。 生命と非生命のあいだ 地球で「奇跡」は起きたのか 生命はどこから生命なのか? 非生命と何が違うのか? 生命科学究極のテーマに、アストロバイオロジーの先駆者が迫る!
小林 憲正