60歳ベテランから12歳新人まで 女子プロレスの今【2】佐藤綾子、梅咲遥、美蘭に聞く
12歳から60歳まで幅広い年齢層の選手が在籍するワールド女子プロレス・ディアナ。ジャガー横田、井上京子に続き【2】では3児の母レスラー・佐藤綾子(36)、アイドル的ルックスで人気の梅咲遥(21)、今月29日にデビュー戦を控える12歳の中学生・美蘭(みらん)に聞く。 【写真特集】ワールド女子プロレス・ディアナ 佐藤綾子、梅咲遥、美蘭
佐藤綾子「人生のすべてがプロレスでまわっている」
夫で元アマチュア格闘家の石川サトルとの間に3児をもうけ、育児とプロレスを両立させる佐藤綾子は2001年のデビューだ。 「クラッシュギャルズのブーム後、団体が増え対抗戦が盛り上がった時代があって、私はその頃から興味を持ち全日本女子プロレスに入門しました。練習のきつさは覚悟していたのですが中卒で15歳で入って上下関係にも悩んで…自分が甘かったのですが、プロレスから逃げてしまったんです」 父親の死去も重なり2002年9月に地元山形へ帰郷し退団。その後は定時・通信制高校に編入しレスリング部に入る。2005年には元全女の伊藤薫が主宰する伊藤薫プロレス教室(伊藤道場)に入門、再デビューを果たす。 「地元でも『プロレスラーになる』って出て行ったのに逃げて戻って来て外にも出れず、こんな辞め方は良くないと、結局はプロレスの世界に戻りました」 そして2011年に全女の大先輩で同郷の井上京子が代表を務めるディアナに参戦するも同年7月、妊娠のため再びプロレス活動を休止と波乱万丈のレスラー人生。2017年に復帰に向けて練習再開を発表。現在10歳、7歳、6歳と全員が小学生になってようやく手がかからなくなってきたが、当初はベビーカーに乗せて1人は抱っこ紐で練習に通い、先輩レスラーたちが協力して面倒をみてくれ道場はまるで託児所のようだったとか。 「子どもを見てくれる先輩たちに、もう1回私を観てもらいたい、認めてもらいたいと強く思いました。『もう逃げちゃ駄目だ』と」 夫は現在、整骨院を営む。プロではないが格闘技経験もあり、プロレスにも佐藤のコンディションにも最高の理解者だ。まさに夫婦二人三脚。 「自分の人生すべてにプロレスが関わっているんです。プロレスをしていなかったら旦那と出会うこともなかった。子どもの学校のお母さんたちも『えっ、プロレスやってるの!』って話しかけてくれてそこから仲良くなって試合を観にきてくれたり。本当にプロレスで救われて、全部がプロレスでまわっている感じがします」