60歳ベテランから12歳新人まで 女子プロレスの今【1】ジャガー横田、井上京子に聞く
女子プロレス。昭和の昔はいかつい選手が多く可愛い系の選手が一人でもいると目立ちまくったが、近年は「こんな子がプロレスをやるの?」と驚くほどアイドル的ルックスの選手が増え会場は華やかな雰囲気に包まれる。そんな中、10年以上の歴史を持つワールド女子プロレス・ディアナは12歳から60歳まで幅広い年齢層の選手が在籍し女子プロレスの歴史の縮図とも言える。全日本女子プロレス(全女)出身のジャガー横田(60)と団体代表の井上京子(52)をはじめ3児の母レスラー・佐藤綾子(36)、本格派だがアイドル的人気も持つ若手・梅咲遥(21)、今月29日にデビュー戦を控える12歳の中学生・美蘭(みらん)に話を聞いた。 【写真特集】ワールド女子プロレス・ディアナ ジャガー横田、井上京子
ジャガー横田「40年経てば見せ方・表し方が違って当然」
全女出身で1977年デビューの大ベテラン、ジャガー横田は「試合の表現の仕方が昔と今は違います」と話す。「昔は地味な技から始まり実力をつけて、とにかく動いて攻撃してフォールを奪うことしか考えなかったのですが、今はパフォーマンス主流でどうすれば見栄えがするかを考える子が多い。それがうまい子はチャンスを与えてもらえます。時代の変化だし、40年も経てば見せ方から表し方から違うのは当然で、私も時代とともに生きてきたので今はそういう時代なんだなという認識です」 新人選手の育成面でも若手に任せるなど時代の変化を意識する。 「ディアナについていえば私や井上京子、そして佐藤綾子も元全女ですし、基礎からやる部分は残っています。でも歴史を続けていく価値があると同時に新しいものを取り入れないと時代についていけませんから、新人育成は若手に任せて、私が昔の感覚で怒ったり注意したりはしません。芽を摘むことになりますし、いまの若い子が考えていることは息子でさえもわからないですからね」 そう言って笑うジャガーだが、自身は中学生のとき非凡に生きたいと思い、テレビで見たビューティーペアに影響を受けて親に内緒で全女の入団テストを受けたという。 「過酷な世界でしたが、15歳でバイト経験もないので他に比べるものがないんですよ。なので生き残るためにはこのぐらい当たり前と乗り越えていかなければならないと。辛くてやめたいと思ったことはありません。親からも戻ってくるところはないよって言われました。そういう意味では時代がジャガー横田を作ったのかもしれません」