60歳ベテランから12歳新人まで 女子プロレスの今【2】佐藤綾子、梅咲遥、美蘭に聞く
美蘭 4.29デビュー控え特訓に励む中学1年生
4月29日、後楽園ホールでのデビューに向けて特訓に励んでいる美蘭。12歳の中学生レスラーとして注目度は高い。対戦相手はなんと井上京子だ。 「お父さんがプロレスが好きで、自分も家でテレビを一緒に観ていたんです。それでディアナの後楽園ホール大会を観戦したらファンになってしまい、レスラーを目指すようになりました。最初は怖いなって思う気持ちもありましたが、選手それぞれが個性や魅力があって観ている人を楽しませているところにあこがれ、小学6年生で練習生になりました。お父さんは大賛成、お母さんは最初戸惑っていましたが今は応援してくれています」 学校に通いながら基本的なトレーニングとともに技の練習もしているという。 「受身とか体作りの基礎はすごく大事なので道場のほか自宅での筋トレなどの自主練習も含めて全力で頑張っています。強くて、どんな技をかけられてもどんな大きい選手が相手でも立ち上がれるようなかっこいい選手になりたいです」 リングコスチュームなども準備中とのことで希望に目を輝かせるが、まだ中学1年生。学業との両立は必須だ。 「得意教科は体育ですが、漢字も最近得意になりました。団体からは『テストの結果が悪ければ試合に出さない』と言われています。絶対、学業とプロレスを両立させます」 フットワークと身体能力を生かしムーンサルトプレスなどアクロバット的なテクニックをマスターしたいという。 「ファンだった頃、どれだけやられたってやられた分だけやり返して、そんな選手の姿がすごく輝いていて感動しました。それで自分もレスラーになりたいと思ったんです」 4月29日の後楽園大会では井上京子を相手にどんな戦いを見せてくれるか。この日は梅咲が高瀬みゆきとのコンビでW.W.W.Dタッグ王座の防衛戦。ジャガーはW.W.W.Dエリザベス選手権に出場。佐藤はメインイベントで他団体に流出したW.W.W.Dシングル選手権の奪還に挑む。レスラーたちそれぞれの人生がリングで交錯する。時代が移り変わりさまざまなプロレスのスタイルが生まれても、原点は「戦い」。今日もレスラーたちはそれぞれの戦いを繰り広げる。 -終わり【1】とあわせてご覧ください- (写真と文:志和浩司)