60歳ベテランから12歳新人まで 女子プロレスの今【2】佐藤綾子、梅咲遥、美蘭に聞く
梅咲遥 アイドルファンからプロレスラーに
子どもの頃アイドルにあこがれ、実際にご当地アイドルにもなった経験の持ち主は梅咲遥だ。 「小学生のときAKB48がめっちゃ流行って握手会にも行ったんです。そんなときたまたま地元の茨城でご当地アイドルのメンバー募集があって、応募したんです。そのグループも年齢の幅が広くて小学生もいれば大学生もいるみたいな。私は中学生で高校生のお姉さんたちにメイクとか教わりながら、ゆるくやっていました」 しかしほぼ同時期にプロレスにも興味を持ち、アイドルはやめた。 「私が観始めた頃のプロレスもちょっとアイドルに近い面があって、好きな選手が出来て、物販に行って、お話をして、そういうところが楽しいって思ったんです」 しかし2018年、ディアナの新人レスラーオーディションに合格し練習生となった瞬間から楽しいどころかハードな日々が始まった。 「プロテストを受かるまでが、めちゃきつかった。ひたすらずっと同じ基本練習を続けるんですよ。受身と筋トレ。高校を卒業して東京で一人暮らしをしていたので、練習後に先輩に食事に連れてってもらったりしたのが救いでした」 当時は年少だった梅咲も、今は後輩が増えて指導する立場。アイドル的ルックスでも人気のスター性ある若手だが、悩みも尽きないと明かす。 「ルックスをほめられるのは嬉しいですが、自分はすごく自己肯定感が低いんです。レスラーは自信に満ちていなければと思うので、そこは直したいです。私は別に自分のことを可愛いとは思っていないし『それだけじゃないぞ』っていうレスラーとしての部分を大事にしたいです」 やはりレスラーである以上、強さは大切にしたいと決意を語る。 「技が的確で、入場から観るだけで『すごい』って思われるようなレスラーが理想です。常にチャンピオンベルトの戦いに関わっていて。お客さんからだけではなく、レスラーの間でも『梅咲って良いよね』って言われる選手になりたいです。今はデビュー4年目になって、ただ若くて、いつもいろんな方が褒めてくださったりするんですけど、私は誰が見ても『いいね』って言われるレスラーになりたいです」