全日本チャンピオン 決定! 水上バイクの最高峰レース『2024年度 AQUA BIKE「全日本選手権シリーズ」(国土交通大臣杯)』
「2位に入賞」が勝利の必須条件
対する 平阪選手のタイトル獲得条件は、「 2位までに 入賞 」である。 極端な話、小原選手が 先行しても追う必要はなく、「2位になる」ことだけに集中すればいい。 プレッシャーは大きいだろうが、彼が“思い通り”の レースができれば、「2位になる」ことは難しくない。 何より、「自分でレースをコントロールできる」というアドバンテージは大きい。 平阪選手に 懸念事項があるとすれば、同月7日・8日に行われた「 第5戦 滋賀・琵琶湖大会 」で、若手のホープ・佐藤 颯志選手に完敗したことだ。このレース、1位が小原選手、2位が佐藤選手、3位が平阪選手だった。 最高峰クラスのレースは、ある意味で“喧嘩”と似ている。一度完全に負けた相手に「 再戦して勝つ 」ことは、至難の業である。「 格付け 」が決まってしまうからだ。 だから本誌は、第5戦が終わった段階で、平阪選手のほうが「 分が悪い 」と考えていた。
最終戦のMOTO 1で見せた「 平阪 勇助 」の真骨頂
そして迎えた最終戦。MOTO1は、まさに「 ドラマ 」だった。 予想通り、スタートから小原選手は ブッチギリの独走状態。平阪選手は それを 無理に追うことはせず、「 佐藤 颯志 」vs「 平阪 勇助 」による「 2位争い 」へと持ち込んだ。 3位を走る佐藤選手は、先行する平阪選手を 捉えようと何度も 猛烈なアタックを 仕掛け続けるが、平阪選手が 巧みなライディングで それを阻止する。 残り3周で、ついに佐藤選手が平阪選手を捉えて 2位に浮上。追う立場となった平阪選手は、佐藤選手の真後ろを 走り続けて機会を伺うが、なかなか勝負を仕掛けない。 このまま 佐藤選手が2位で レースが終わって、タイトル争いは 翌日のMOTO 2に持ち越されるとギャラリーは、誰もが思ったはずだ。
ラスト1周の最終コーナー手前で、一気に勝負を仕掛けた平阪選手
レースが動いたのは、ラスト1周だった。 最終コーナー手前で、佐藤選手が コースを大回りするイレーザーブイ(ミスブイ解消ブイ)へと向かう。通常コースから外れる気配を、追う平阪選手は いち早く感じ取っていた。 そこで、渾身の力でアクセルを握り、勝負を仕掛けた平阪選手は、最終コーナーで 佐藤選手を 抜き去り、「 2位でゴール 」という 劇的な 逆転劇を 見せてくれた。 翌日のMOTO 2も、危なげないレースで小原選手に次ぐ2位でゴール。“予定通り”「 総合2位 」となって シリーズ・チャンピオンに輝いた。
【関連記事】
- 水上バイクの国内最高峰レース「AQUA BIKE 」2024年度「GP SKI」全日本チャンピオン・平阪 勇助 選手【ワールドジェットスポーツマガジン 11月号】
- 水上バイクの国内最高峰レース「AQUA BIKE 」2024年度「GP RUNABOUT」全日本チャンピオン・砂盃 肇 選手【ワールドジェットスポーツマガジン 11月号】
- 【RACE】【2023年・年間総合ランキング】「ALL JAPAN JET SPORTS SERIES 2023 FINAL STAGE」「AQUA BIKE 全日本選手権シリーズ(国土交通大臣杯)」
- 2021年度 世界最強レーサー「砂盃肇 選手」【JJSF & aquabike】、ダブルタイトル獲得 チャンピオン・インタビュー「RUNABOUT GP」
- 「2度目の世界タイトルへ向けての挑戦!」国内最強のランナバウトライダー・砂盃 肇プロインタビュー【動画付き】