【サンデーLIVE!!特集】 65歳以上の3人に1人が“認知症”の予測 将来の発症左右する大注目の「MCI」とは?
65歳以上の3人に1人が“認知症”の予測
厚生労働省は今年5月、「2040年に65歳以上の高齢者の3人に1人が『認知症』か、“その前段階の状態”とされる『MCI(軽度認知障害)』を患う」という予測を発表。 推計値では2040年には、日本人の9人に1人が認知症かMCIを患っているということになります。 国が「認知症」だけでなく「MCI(軽度認知障害)」患者数の推計もしたのは実は今回が“初めて”でした。この「MCI」こそ、認知症予防の“カギ”であることがわかったのです。
「認知症」発症時期左右するMCIとは?
認知症研究の第一人者・新井 平伊医師(アルツクリニック東京院長・順天堂大学医学部名誉教授)は、この「MCI」の段階での予防が将来、認知症を発症する時期を大きく左右することが分かってきたと話します。 MCIとは、「正常な状態と認知症の中間」であり、記憶力や注意力などの認知機能に低下がみられるものの、日常生活に支障をきたすほどではない状態を指します。 去年「MCI」と診断された女性(80)は自身の状態についてこう話します。 「今の段階ではどうにか1人で暮らせますが、もう少し(症状が)進んだら問題があると思います。ギリギリのところで、さまよっている感じですね。よくメモを取るようにしています。『どこで待ち合わせ』とか、友達と約束したことをすごく楽しみにしているのに、うっかりその日を忘れちゃうことがあるんですよ…」
新井医師は、この「MCI」の段階で何も予防をしなければ、およそ5年で半数が認知症を発症する一方で、適切な予防を続ければ、正常な認知機能を取り戻すことができる人も一定数(約15~40%)いると話します。 アルツクリニック東京 新井平伊医師 「一番、今の医学では(MCIが)ホットなところです。火事で言うと、火元がくすぶっているうちに火元を消せばいいが、広がってしまい認知症になる。MCI(軽度認知障害)は火元とその近くがくすぶっているぐらい。」 つまり、認知症を発症する前に適切な検査を受け、「MCI」の段階で気づくことができれば、その後が大きく変わってくると言うのです。