「お母さんはなんでこの髪の毛なの?」生まれつき髪が薄くて地肌が見える女性「バイト先ではホールから調理場へチェンジされ」
髪の毛が薄く、中学3年時に「びまん性脱毛症」と診断され、現在は「先天性乏毛症」(せんてんせいぼうもうしょう)ではないかと自認しているmemeさん。学生バイトや就職など、社会に出て行くたびに自分の髪の毛とさらに向き合うことになります。(全3回中の3回) 【写真】「髪の悩みを知ってもらうため」乏毛症モデルにも挑戦するmemeさんの現在(全13枚)
■「どこの美容院行ってる?」 ── memeさんの髪の毛は、子どもの頃から薄くて地肌が見える。縮毛で髪質が柔らかく、少ない毛量がフワッと広がり、髪の毛に対して人の視線を感じることもあると伺いました。大学生になって初めてバイトを経験した際、つらい思いをされたこともあったとか。
memeさん:飲食店のホールで接客をしてみたくて、バイトの面接を受けたら通ったんです。でも、初出勤の前日になって「ホールはいっぱいだから調理場に回ってほしい」と。「まぁ、いいか」と思いながら働いていると、同時期に入った男の子が「俺、調理場希望で入ったのにホールに回されたよ」と話をしているのを聞いて、私とチェンジされたのかなって思いました。 ── 面接のときに髪の毛についても話が出たそうですね。 memeさん:スタッフの方から「お客さんが見たときに、病気の子を働かせていると思われたら困るからバンダナ巻いてほしいけどいい?」「全然いいですよ!」と言った会話をした矢先のチェンジでした。あぁ、そういうことかと。高校までは守られた環境だったかもしれないですけど、社会に出るとそうじゃないんだ、と強く感じた出来事でしたね。結局、この飲食店で半年くらい働いて、違うバイト先を探すことに。でも、いくつも応募したけれど、なかなか決まりませんでした。面接に行った先で、裏でスタッフ同士が相談しているのがわかるんです。
その後もいろいろ受けてみた結果、私を採用してくれたのがユニクロでした。ユニクロは人の個性も受け入れてくれるからなのか。ここでアルバイトをしながら少しずつ自信がついていった気がします。 ── 大学卒業後は、広告の営業職として勤務。仕事ではウィッグをつけず、プライベートでお洒落をするときにウィッグをつけるなど、シーンによって変えていたそうですね。 memeさん:当時、ウィッグをつけているときは偽りの私みたいな感覚があって、仕事中はつけなかったんです。見た目に自信はないけど営業職はやりたい。街を歩くだけでも人から見られる状態で、葛藤もあったし、つらかったですね。