横浜が松坂大輔を擁した1997年以来2度目の優勝 来春センバツの神宮大会枠は関東地区が獲得
◆第55回記念明治神宮野球大会最終日▽高校の部・決勝 横浜4―3広島商(25日・神宮) 高校の部は、横浜(関東)が広島商(中国)に競り勝ち、松坂大輔を擁した1997年以来、27年ぶり2度目の優勝を成し遂げた。来春センバツの神宮大会枠は関東地区が獲得した。 * * * 2点リードで迎えた9回。完投目前だった横浜の“スーパー1年生”織田翔希が1死二、三塁の危機を招くと、左翼で先発出場していた背番号1の奥村頼人が外野からマウンドへ走り出した。 「織田が頑張ってくれたので、『任せろ』と言ってボールを受け取りました」。その名の通り「頼れる人」は、勢いづく広島商の打者に対し、全て「自信のある真っすぐ」で勝負した。5番・菅太一の三ゴロの間に1点を与えたが、2死三塁で迎えた6番・柳井晶翔を142キロの直球で空振り三振に仕留め、両手を上げてマウンドで何度も跳び上がった。 松坂を擁した97年以来の優勝。最速151キロを誇り、2年後のドラフト候補に挙がる織田が注目されるなか、先発も抑えもこなし、上級生としてチームを支えてきた奥村頼が“優勝投手”になった。「県大会も関東大会も、最後に投げていたのは自分でした。センバツ大会も勝ち上がって、最後は、自分がしっかりマウンドを守れるように。それがエースだと思います」と出場が確実視される来春センバツへ思いをはせた。 夏の神奈川大会決勝で東海大相模に敗れると、村田浩明監督(38)は「秋の完全制覇」を目標に掲げ、神奈川県大会地区予選からの連勝を15に伸ばした。「27年前は、松坂さん(の代のチーム)が公式戦で44連勝しました。目指すのは44連勝です」と奥村頼。翌年の春夏の甲子園、そして秋の国体まで勝ち続ける。壮大な夢の実現へ、最初のタイトルを手に入れた。(浜木 俊介) ◆神宮大会枠 横浜が優勝したことで、来春センバツの神宮大会枠は関東地区に与えられる。一般枠で6校が出場する「関東・東京」に1枠が加わり、7枠になる。東京の決勝は二松学舎大付が延長12回タイブレークの末、早実にサヨナラ勝ちし、両校に大きな差がないことから、「関東5・東京2」が濃厚。早実の出場が有力だ。関東の4強も当確。残り1枠は8強のいずれかだが、横浜に0―2と競り合って敗退した点から、東農大二がわずかにリードと言えそうだ。
報知新聞社