なぜ横浜DeNAは阪神藤浪の攻略に成功して後半戦初白星をマークできたのか…「攻める」積極打法と“虎キラー”坂本の重圧
これで今季対阪神に3試合で3勝。立派な“虎キラー”である。三浦監督も現役時代は阪神戦に強く同じ異名で呼ばれた。 「僕は初代虎キラーでもなんでもないんだけど(笑)。阪神への強さは、いいピッチングをしているということでしょう。両コーナに力強いストレートを投げ込めていた。前半戦最後に勝った阪神戦より、今日の方が一段とよかった。このピッチングをすれば他のチームでもおのずと結果はついてくる」と坂本を称えた。 7、8,9回と3イニングの継投に不安が残ったが、三浦監督は前日炎上したエスコバーを7回にマウンドに送った。先頭の佐藤にいきなり死球を与え、梅野に三遊間を破るタイムリーを打たれて1点差に迫られたが、そこから代打の原口を三振、近本を一塁ゴロに打ち取った。そして、このカード初戦で3失点していた“8回の男”山崎がゲームを引き締める。 糸原、サンズを連続三振にとったが、いずれも宝刀シンカーではなく150キロ台のストレート。サンズには珍しくスライダーも交えた。これも山本のリードの工夫。4年目の22歳の若手捕手を抜擢した三浦監督の隠れた好采配だったのだろう。 緊迫のゲームの流れを呼び込む1イニングである。 9回に守護神の三嶋が虎の怪物ルーキーの佐藤に23号ソロを浴びるが、8回裏の追加点が効いていた。 ブルペンのやりくりに苦労している三浦監督は、ぶれずに起用パターンを貫き、「バックにも助けられながら、ひっくり返されなかったのが大きい。エスコバー、ヤスアキ(山崎)がよく踏ん張った」と胸をなでおろした。 連敗を3でストップして後半戦の初白星。 新戦力の森は、2度にわたって捕手の送球を捕球ミスして二盗を許し、バントの失敗などもあったが、溌剌とした新風をチームに送りこみ、セカンドは、右投手に柴田、左投手に牧という起用で、これまで不足していたチーム内競争も起こりつつある。 まだ最下位を抜け出せない横浜DeNAが、優勝争いのキャスティングボードを握ってると言っていい。それも重要なチームモチベーション。今日からは、東京ドームでベンチを一塁から三塁に変えて2位、巨人との3連戦。 「いい形で粘って粘って、ひとつ勝ったので良かったと思います。この流れを明日につなげていきたい」 “番長”の言葉に力がこもった。