なぜ横浜DeNAは阪神藤浪の攻略に成功して後半戦初白星をマークできたのか…「攻める」積極打法と“虎キラー”坂本の重圧
横浜DeNAが19日、東京ドームで開催した主催試合で阪神を5-4で振り切り連敗を3で止め後半戦初勝利をマークした。阪神の先発は118日ぶりの先発となった藤浪晋太郎だったが、横浜打線は4得点を奪って5回途中でKO。投げては今季対阪神戦で3勝を挙げることになった“虎キラー”の坂本裕哉が6回を2失点に抑え、不安視されている中継ぎ陣が失点しながらもリードを守り切った。
2年目のドラ1森が先制タイムリー
速攻を仕掛けた。4月23日の横浜DeNA戦以来、118日ぶりの先発となる藤浪の不安な心理につけこむようにして、先頭の桑原が初球を叩く。外角に構えた梅野のミットより、ボールひとつ分、シュート回転して中へ入っていた152キロ表示のストレートを桑原が逆らわずにライト前へ。そして、続く2番の“売り出し中”森はバントの構えをしていたが、その初球が大きく抜けて、あわてて立ち上がった梅野のミットを弾いた。難なく無死二塁となり、ベイスターズベンチには、再度バントで手堅く送らせる選択肢もあったのだろうが、サインは強打だった。 159キロが表示された内角球。森は右肩を開かずに体を回転させ、一、二塁間に引っ張った。藤浪の球威に負けなかった。わずか5球で先取点を奪ったのである。 「速い球をしっかりと打ち返すという意識がありました。当てにはいかずコンパクトにしっかりと振った結果がヒットになりました。速くて球の強い投手に対して、いいバットの出し方ができたと思います」と、試合後の森。桐蔭学園高卒で2年目のドラフト1位は2回の第2打席にも、今度は、スプリットに対応してライト前ヒットを放っている。 ベイの攻撃はまだ終わらない。続く佐野が2-1から甘いカットボールをさばいてライト線を破る。スタートを切っていた森が長駆ホームイン。佐野も、またファーストストライクを狙って攻めた。 2回も一死満塁と追加点機を作るが、佐野が一塁ゴロ、オースティンがセンターフライに倒れる。3、4回と藤浪を落ち着かせたが、2-2の同点にされた直後の5回裏に、復活にかける虎の右腕エースに残酷な引導を渡す。一死からオースティンが四球を選ぶと、この2試合、当たりの止まっていた宮崎が、バットを折りながらも三塁線を破る執念のタイムリー二塁打。ソトが甘いカットボールを打ち損じて二死となったが、2三振の柴田が食らいつく。 「2打席、三振していたのでストライクを積極的に振っていこうという気持ちで打席に立ちました」