帰還中のはやぶさ2は今 JAXA会見(全文3)帰還には非常に精密な誘導が必要
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は20日午後、記者会見を開き、小惑星リュウグウでのミッションを終え地球に向けて航行中の探査機「はやぶさ2」の現状などを説明した。 【動画】地球へ航行中の「はやぶさ2」の現状は? JAXAが会見 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「地球へ航行中の「はやぶさ2」の現状は? JAXAが会見(2020年2月20日)」に対応しております。 ◇ ◇
スラスタBを去年の試運転で試さなかったのは?
大塚:フリーランスの大塚です。細田さんにお伺いしたいんですが、スラスタBについて、去年の試運転で試していなかったのは、優先度というか時間の都合で、ということでしょうか。 細田:はい。1つは時間の都合です。これは8ページの図ですと非常に線が込み入っていて、自分の大変な苦労が線にするとこんなになっちゃうんですけれども、かなりいろんなケースを時間を掛けてやっていますので、まずはすぐにプレーヤーとして参加するものを優先したという感じです。 大塚:それと、あとちょっと細かいんですが、トリム運転で使ったスラスタ1台は、Aなんでしょうか。あと、運転時間も教えてください。 細田:トリムですね。トリムは今回、実はこれ、エンジン、さっき出たように4台違う角度で付いているので、どれを選ぶかというのも含めて軌道が決まる、軌道側から出てくるんですけれども、今回はCのエンジンを48時間弱噴いて微調整を行っています。
砂が入った時の対策は?
大塚:あと、砂の問題が今回、あれだけタッチダウンのときに砂がわーっと出るっていうのが想定外だったので、対策、今回なかったかと思うんですけれども、もし今後ミッションを考えるときに、ああいうシチュエーションを考えられるときには、例えばどのような対策があるのかとか、もし何か今、アイデアとかがありましたら教えてください。 細田:まるで僕、砂が入ったような口ぶりでずっとしゃべっていましたけれども、そんな確証は、証拠はないんですが、まず今回着陸のときにちょうどイオンエンジン側が、少し上に傾いた状態で着陸姿勢を取りましたので、それについてはイオンエンジンにとってはプラスだったかなとは思っています。 それから、イオンエンジンの試運転、地上実験の中でも、中に異物を入れるような実験ですとか、霧吹きで水を掛ける実験ですとか、いろいろやっていて、その辺り、必要があればもっといろいろやっていこうかなとは思っておりますし、ちょうどあった、探査ハブのほうの仕事でも、ダストを除去する、例えば太陽電池の上に乗った砂を飛ばすとか、そもそも砂が付かないとか、そういうことで、これは必ずどの、今後地面がある宇宙探査では必ず必要になる技術だと思っていますので、こういう芽出しの研究をまずやっていこうとも思っています。 久保田:ちょっと補足しますと、砂の中で例えば導電性のあるものが近くにいると、そちらに放電するようなこともちょっと心配してたんですけども、はやぶさ2では、コンタミセンサを付けておりまして、そういういろんなものが入るかどうかのモニターもしておりまして、事前にコンタミセンサでは特に問題ないというのも分かっておりましたので、比較的安心はしてたんですけれども、やはり実際にイオンエンジンを点火してみないと分からないというところがちょっとあったので、そこがクリアできてほっとしているところですね。 細田:補足、ありがとうございます。イオンエンジンは動かしてなかったんですけど、センサーはタッチダウン中もずっと動かしていたので、それが1つ安心材料にはなってました。 大塚:でも結果的にはあまり、何か対策というよりも、姿勢を、例えばお尻のほうをちょっと上げるような感じで、今後もそんなに問題なさそうかなっていう感触ではあるって考えていいんですか。そうでもない? 細田:ちょっとそれは、なかなか私だけではちょっと分からないところもあるんですけど、プラスになってるのは間違いない、見込み角として見えないところにエンジンがあるっていうのは、間違いなくプラスだと思っています。 大塚:ありがとうございます。