「ベビタピトーキョー」に「トイカメラ」…Z世代の次“α世代”にウケるヒット商品の共通点は?
クリエイティビティを刺激するという点では、「トイカメラ」が挙げられる。トイカメラは、名前の通り通常のカメラよりも造作が簡単な子ども用カメラである。 その中でもヒットしているのがSEGA製のトイカメラ「#バズゅCam」だ。 「#バズゅCam」は撮影だけでなく、トイカメラ内で動画編集をすることができるため「動画クリエイティブ体験」が可能な商品である。クリエイティビティに敏感なα世代に支持され、2024年の小学生の欲しいものランキングで2位にランクインした。 ● 今後α世代にヒットする商品とは 今後、α世代にはどんな商品が受け入れられるのだろうか。大宮氏は、α世代にヒットするであろう商品は「コト重視」と「自己投資」の要素が大きくなると予測する。 「コト重視」とは、おもちゃなどの「モノ」ではなく、「モノを購入したら、どのような体験をすることができるか」を重視する傾向のこと。トイカメラのヒット要因でもある「クリエイティブ体験」ができる点にもひもづく。 また、SNSで世の中のカルチャーや出来事に触れる機会が多いα世代は、自分のやりたいことに積極的に投資し、自分の好みや強みを見つけるために自己投資を惜しまないだろうと予測されている。 「α世代の親は、子どもの考えや行動を温かく見守り、彼らが求める場や機会を提供しています。また、失敗も貴重な“体験”と捉え、成長の糧としてポジティブに受け止めています。こうした親のもとで、α世代の子どもたちは、多様性が広く認められる環境の中で自分を見つめ直し、自分の強みを理解して伸ばしていくことができるでしょう。そういった成長に寄り添う商品が、α世代に広く受け入れられると考えています」(大宮代表) Z世代とは違う、α世代独自の価値観と行動とが新しい消費の潮流を生み出していくのだろう。 ※1 ニッセイ基礎研究所「ジェネレーションαの時代-Z世代の次を考える」(https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=64985?pno=2&site=nli) ※2『新消費をつくるα世代』(小々馬敦、日経BP、2024年)
穂座来萬大