「ベビタピトーキョー」に「トイカメラ」…Z世代の次“α世代”にウケるヒット商品の共通点は?
「オンラインゲームの世界では、見知らぬ人とも自然にコミュニケーションを取る場面が多く、彼らはそれに対して抵抗を感じていません。『リア友(とも)』と呼ばれる実生活での友だちと、インターネット上での『ネッ友(とも)』の両方が、彼らのコミュニケーションの中で共存しているのです」(同) リアルでもインターネット上でも変わらず人とコミュニケーションを取ることができるα世代にとって、オンライン世界は生活圏の一部なのだ。 ● 他人と自分とを比べない高い「自己肯定感」 2つ目に挙げられるα世代の特徴は「自己肯定感の高さ」だ。近年現代人の自己肯定感の低下が嘆かれているが、比例してなぜこのようなことが起きているのだろうか。 大宮代表は彼らを取り巻く環境に大きく起因していると語る。 「α世代の親たちは、子どもたちを積極的に褒める教育を行っており、これは従来の日本の厳しい家庭教育とは異なります。自分を振り返ってみても、親からたくさん叱られて育ったように思いますが、α世代の親は叱るよりも褒めることを重視する傾向があります」(同) 近年では新たに「褒める教育」が普及しつつあると言われているが、主に30代、40代を両親に持つα世代は顕著に影響を受ける世代ということになる。このような「褒める」「個性の尊重」という傾向は親以外にも保育園、幼稚園などの教育機関にもあるという。 「例えば保育園でのお昼寝の時間です。今まではみんな一律にお昼寝するのが当然で、そう躾けられてきました。眠くなくてもお布団に入って寝ましょう、と言われてきたと思います。これが今では、眠くない子どもは外で遊ぶことが許されるなど、個々の意思を尊重する姿勢が一般的になっています」(同) 「こうした多様性を尊重する教育の中で育ったα世代は、小さい頃から『他者と違っていても構わない』という価値観を身に付けています。その結果、他人と自分を比較することが少なく、自己肯定感が高まっていると考えられます」(同) しかし、その半面として、集団行動が苦手であったり、褒められたりすることに慣れているため、叱責に過敏に反応する、または困難に直面した際に諦めが早いといった傾向も見受けられるという。