「西国分寺駅」には何がある? 徒歩すぐで市役所&おしゃれ図書館に行ける、歴史スポットにあふれた街
◆武蔵国分寺跡以外にも歴史スポットがたくさん
もう一つおすすめなのが「国分寺文化財資料展示室」。武蔵国分寺や関連史跡の歴史をコンパクトに紹介しており、武蔵国分寺を含む全国の「国分寺」から収集された古瓦(こが)コレクションなども展示されています。予約不要かつ入場無料で、展示室職員のご案内・解説がとても丁寧で面白く、小粒ながら良質な歴史ギャラリーです。 武蔵野線のガードをくぐったすぐ先にあるのが「武蔵国分尼寺跡」。武蔵国分寺とセットで建立された寺院で、その名のとおり尼僧(女性)のためのお寺でした。こちらの金堂跡も、現在は土台などを残して野原と一体化しています。 武蔵国分尼寺跡の隣にある「黒鐘公園」には(近年ではわりと珍しくなった)さまざまな遊具が並んでおり、親子向けレクリエーションの場として愛されています。ローラー滑り台は長い間故障していましたが、2024年7月末に修繕されて再び利用可能になったそうです。 黒鐘公園から北方向に進んだ先にある切り通しの歩道は「伝鎌倉街道」。こちらも国指定の史跡として保存されている部分であり、住宅地や武蔵野線のすぐ近くとは思えないほどに繁った雑木林の谷間に歩道があります。 伝鎌倉街道を出た後の「史跡通り」を歩いて、西国分寺駅へ戻ります。こちらの通りは史跡と直接関わりがあるわけではなく、駅から史跡に通じる道路であったことから自然と地元の人から「史跡通り」と呼ばれるようになったそうです。歴史ある史跡や住宅・商店が隣接している西国分寺らしいエピソードですね。
◆駅北側には飲み屋街、人気スーパー、そして自然スポット
西国分寺駅へ戻って、北口から出た先はやや殺風景な住宅街。駅前すぐに自転車駐車場がありますが、西国分寺駅の構内を自転車で行き来していた方々もここを利用しているのでしょうか。 駅前には小さな居酒屋街も。なかなかにディープな雰囲気を漂わせています。 北口を出て少し歩いたところには「オーケーストア」も。南口のレガ西国分寺ほどではありませんが、こちらも日々の買い物に重宝しそうです。 オーケーストアから来た方向へしばらく歩き、右へ曲がった所にあるのが「恋ヶ窪分水跡」。江戸時代に開削された「玉川上水」の分水で、この分水によって地域に人の住める環境が整ったそうです。 そこから少し進んだ先には「恋ヶ窪遺跡」のプレートも。周辺には遺跡の面影は希薄ですが、西国分寺駅から北側の一帯は縄文時代から続く遺跡だったとのこと。 駅に戻る途中で「姿見の池緑地」というプレートを見つけたので、「何だろう?」と思い、地図を頼りに向かうことに。細い路地を歩く途中で、地元の農家さんがビニールハウス整備の作業をしていました。 野菜の無人販売所では、地元住民の女性が野菜を購入している場面も。農家で採れたて野菜をその場で購入できるスポットが、西国分寺はあちこちにあります。 到着した「姿見の池」は、住宅街のエアポケットのように自然豊か。鎌倉時代に近隣の女性がここの池に自身の姿を映し見ていた伝承が、その名前の由来だそうです。池は昭和40年代に埋め立てられますが、平成前期に国と都の湧水復活再生事業によって再整備され、以前の美しい景観を取り戻しています。 清い池水の中で立派な鯉が泳いでおり、その姿を望遠カメラで撮影しているご老人の姿も。他には絶滅危惧種のオグルマが自生するなど、この池は人間にとっても動植物にとっても心安らぐ空間となっているようです。