薬が体に害を及ぼすことも…「糖尿病薬で血栓」「降圧剤で血流低下による酸素不足」「コレステロールを下げる薬ががんリスクに」 服用前に知っておくべきこと
花粉症薬で意識レベルが急激に低下
処方薬で治す病気だけでなく、市販薬によって症状を改善・予防する病気についても気は抜けない。女性を悩ませる便秘では、薬を手放せなくなる人が多いが、恒常的に服用することによるリスクは小さくない。 「刺激性の下剤は、長期にわたってのみ続けると大腸メラノーシスを引き起こすとされています。大腸メラノーシスは大腸の粘膜が変色したり機能が低下したりする状態で、便秘がより悪化してしまうケースが見受けられます」(長澤さん・以下同) これからの季節で注意したいのは花粉症の薬。 「花粉症の薬の一部には、ヒスタミンという脳内の神経伝達物質を抑える効果がある。これが、うつ病の薬と同じ作用で、意識レベルが急激に下がって起き上がれなくなったり、場合によっては精神状態が不安になり、うつ病を罹患している場合にはそれが悪化するケースもあります」 胃もたれや胃の痛みを感じ、やわらげようと薬を手にする人は多いだろう。しかしそれも、慢性化すれば体にとっては大きなダメージとなりうる。 「胃薬には、効果が弱めのH2ブロッカーと、効果が強いプロトポンプ阻害薬の2つのタイプがある。このうち、プロトポンプ阻害薬には、長期間の服用でいくつものリスクが増えることが複数の論文で明らかになっています。 具体的には、胃のポリープや胃がん、認知症、腎臓病、心筋梗塞、脳卒中など命にかかわる重篤な疾患もある。とはいえ、急に服薬をやめると、“リバウンド”で胃酸が強く出すぎることもあるので服用が長くなっている人は医師や薬剤師に相談して減薬を心がけましょう」(水野さん) 症状をやわらげ、体をよくするどころか、時に死に至らしめるほどのリスクがある薬。自分にその一錠が本当に必要か、じっくり考えることが重要だ。 ※女性セブン2024年12月19日号
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