〈年金30万円〉〈退職金3,000万円〉穏やかな老後を送るはずの「60代夫婦」に急展開。老後崩壊の原因は63歳夫の「不用意すぎるひと言」
近年、共働き夫婦は増加の一途を辿り、2023年1,278万世帯に達しました。これは全世帯の約68.8%を占めます。ともに仕事に頑張る夫婦、「定年後はどうする?」という会話もあるのでは? 「仕事を辞めたら夫婦水入らず、ゆっくり過ごそう」と語り合うその先に、思わぬ出来事が待っていることもあるようです。 ▼【早見表】年金に頼らず「1人で120歳まで生きる」ための貯蓄額
定年夫婦に突如勃発した「親の介護問題」
おしどり夫婦として評判の中村浩一さん(仮名・63歳)、恵子さん(仮名・61歳)夫婦。ただ最近は暗雲が立ち込め、離婚も考えているといいます。 きっかけとなったのは、90歳になる義母の介護。恵子さん、義母とは、良くもなく悪くもなくという関係を35年近くも続けてきました。 ――義実家は車で1時間半ほど。頻繁に会うには遠く、正月やお盆のタイミングで帰省するには近すぎるという距離感だったことが、良い意味でよかったのかもしれません もともと看護師だった恵子さん。子どもが生まれるタイミングで一度、仕事を辞めますが、2人の子どもがともに中学生になったタイミングで再び看護職に復帰。15年ほどのブランクがありましたが、以前働いていた職場で看護師が足りず、声がかかったのです。家族からの後押しもあってのことだったといいます。 夫婦ともに60歳の定年で仕事から引退。退職金は夫2,000万円、妻1,000万円の計3,000万円。65歳から受け取る予定の年金は、夫婦で30万円強。贅沢三昧できるわけではありませんが、穏やかな老後が送れるはず……そんな算段がついたため、仕事から離れて一度ゆっくりしようと夫婦で決めたのでした。 しかし、そこで90歳になる義母が認知症で要介護3に。きょうだいで介護施設への入居も検討ましたが、義母は終活を進めるなか、万一の際には自宅で看取ってほしいという話をしていたのだとか。そのため浩一さんたちは、何とか自宅で介護を続けられないかと考えたところ名案が――「看護師経験があるから、お母さんのこと介護できるんじゃない?」と、恵子さんに白羽の矢がたったのです。長男の嫁という立場も大きかったようです。 ――看護師だったからって、なんで私がお義母さんの介護をしなきゃいけないの? ――私はお義母さんを介護するために看護師に復帰したわけじゃないのよ
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