「6時間もかけて来て、やるのはゲームだけか!」義両親を落胆させた正月休み。「家族団らんの年末年始」はもう過去の遺物なのか
年末年始、実家に帰省せずに過ごす人も増えている印象の昨今だが、それでも実家や義実家への帰省を欠かさないという人たちが根強く存在することも確かだ。 この記事の他の画像を見る 危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は、最近の年末年始の帰省について次のように言う。 「最近は夫と妻がそれぞれの実家に帰省するというご家庭も増えているようですが、お子さんがいる場合は、やはり『家族一緒』に行動せざるを得ないこともありますよね。 訪ねる側と迎える側双方が快適な年末年始を過ごすには、泊りがけはやめて近くにホテルを取ったり、近距離であれば『ごあいさつ』のみで済ませたりするなど、滞在時間を短くすると、ストレスの軽減に繋がるかもしれませんよ」 ・・・・・・・・・・ 今回お話を聞いたのは、人口50万ほどの地方都市に住む60代の女性。昨年末、息子家族が帰省した際の態度にあきれはて、夫から「今年は来なくて良いと伝えろ」と命じられて悩んでいるという。 「コロナもあって帰省をやめてもらっていたのですが、去年『家族集合』を復活させたんです。それで、市内に住む長男夫婦と、東京で暮らす次男一家がうちに来ました。帰省の習慣が途絶えていたので仕方ないけど、とにかくさんざんなお正月になってしまって…」 こう話すのは64歳の専業主婦・菊井里枝さん(仮名)。 「長男夫婦には大学生の男の子が1人いるのですが、もう親についてくる年じゃないので、食事だけしに寄っていきました。次男一家は『子連れだと電車がしんどい』と言って、車で帰ってきましたね」 平常時には高速道路を使えば、都内から3時間で到着する距離だ、と里枝さん。 「でもやはり年末ですから倍はかかりましたね。子連れだから小刻みに休憩を入れますしね」 次男一家は、夫婦と小学校6年生の男の子、4年生の女の子の4人家族である。 「次男の子供2人は、保育園や小学校の低学年の頃に来たっきりだったので、わが家に到着した時『ぽかーん』としていました。大きくなりましたよ」 幼い頃は、田舎の大きな造りの家が珍しいのか、元気に走り回っては「じいじ遊ぼう」「ばあばとおままごとする」とまとわりついてきたという孫たち。 「その思い出を大事にし過ぎてしまっていたようです。孫たちの可愛らしさを思い出しながら『久しぶりに一緒に遊んだりお話ししたりできるね』と、到着を楽しみに待っていました」 ところが、去年車から降り立った孫たちはすっかり大人びた顔つきに。 「下の女の子はお化粧していました。たまに送ってもらう写真では、そんな派手な顔は見たことがなかったので、まずそれがショックで…」 次男の妻は36歳。はっきりとした性格の都会的でおしゃれな女性だという。 「私が36歳の頃なんて、すでにめちゃくちゃおばちゃんでしたよ。今のお母さんって若くてお化粧も上手できれいですよね。でも、孫の化粧のことはどうしても気になって…」 まだ4年生なのに、あんなに厚化粧させてお肌は大丈夫なの?と、思わず嫁に聞いてしまったという里枝さん。 「嫁は笑いながら『お義母さん、東京の小学生、メイクなんてフツーっすよ』と言っていました。本当なんでしょうか?」 ミルク飲み人形を抱きしめて里枝さんのあとをついて歩く、あどけない孫の姿はもうどこにもなかった。 「上の男の子もすっかり大きくなっていました。ちょっと反抗期みたいで、ついてもろくに挨拶もなし。それに対して何も言わない息子や嫁にちょっとイラっとしましたね」 しかし、化粧の濃さや挨拶なしなどは序の口だった、と里枝さん。 「孫たちはうちへ上がるなり、通した客間に寝転んでゲーム機を取り出してゲームを始めたんです。その後、長男夫婦が到着しましたが、無視して続けていましたね」 まずはみんな揃ってお茶でもしたらどうかと思い、「ねえ、せっかくだからみんなで楽しもうよ~」と里枝さんが話しかけると… 「いま『セーブ』できないから、ちょっと待ってて!と小6の孫が吐き捨てるように言いました。わが家へ来てから初めて聞いた声がそれですよ!」 里枝さん夫婦はみんな一緒に凄そうとリビングで待っていたが、孫たちはいつまでたっても顔を見せなかった。3時間後、何気なく客間を覗いてみると、なんと孫に加え親までもが客間で寝転がってゲーム機やスマホに夢中になっていたという。次男一家の「田舎に帰省した意味のない」態度や行動、それが発端で義父と嫁の間に起きたバトルについては記事後編にて詳報する。 ※この記事は取材に基づいていますが、取材対象者保護の観点から必要に応じて編集を加えておりますことをご理解ください。 取材・文/中小林亜紀 PHOTO:Getty Images
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