有名人に学ぶ「美しい最期」の迎え方…重要なのは誰かに「命のたすき」をつなぐことだった
累計188万部の大人気シリーズ『おとなの週刊現代』が大幅リニューアル!週刊現代で大反響だった記事の中から、相続や在宅介護など、「死後の手続きと生前準備」にまつわる記事を、加筆のうえ、ピックアップ。 【マンガ】元火葬場職員が明かす、本妻と愛人が繰り広げた「ヤバすぎる修羅場」 〈第1部 知らないと損する死後の手続きの新常識〉、〈第2部 今日から始める生前準備のすべて〉、〈第3部 身の回りの整理整頓。人生の最期を考える〉の三部構成からなる『おとなの週刊現代 2024 vol.4 死後の手続きと生前準備』 (講談社MOOK) より一部抜粋・再編集して、人生の最期で失敗しないためのノウハウをお届けする。 『突然の「遠距離介護」、月々かかるおカネはいくら…?柴田理恵さんが明かす「介護との向き合い方」』より続く
見事な最期を迎えた人の共通点
コロナ禍の緊急事態宣言が解除されてからずいぶん経ち、生活は以前の状態に戻った。しかしなぜだろう。町には出られるようになったのに。友人や家族と自由に外食できるようになったのに。なんとなく、ただぼんやりと毎日を過ごしているだけのような気がする。不謹慎を承知で言えば、「コロナになるかもしれない」という恐怖を感じていたあの頃のほうが、一日一日を懸命に生きていた気がしないだろうか。 〈人は、いつか必ず死ぬということを知らなければ、生きていることを実感することができない〉 ドイツの哲学者・ハイデガーが残したこの言葉は、死から目を逸らそうとしている人に「そんな態度では、いきいきとした人生を送れませんよ」と語りかけてくるようだ。結局、生を実感するには、しっかりと死を見つめるしかない。しかし、どうすれば美しい最期を迎えられるのだろうか。 その答えはすでにこの世を去った人たちの姿から学ぶしかない。「見事な最期だった」と言われる人たちの逝き方には、共通点があるのだ―。 「師匠が肺疾患で亡くなったのが'18年。81歳のときでした。今年七回忌を迎えました。早いもんですね。日本人男性の平均寿命までは生きたので、それだけでも『いい最期だった』といえるんじゃないでしょうか」 落語家・桂歌丸さんの死を明るく振り返るのは、桂歌春さん。'79年に歌丸門下に入り、師匠が亡くなるまで側に居続けた一番弟子だ。 '10年頃から体調を崩しはじめた歌丸さん。'16年には「笑点」を勇退し、闘病生活を送る一方、亡くなる直前まで落語家として高座にのぼり続けた。歌春さんはそんな師匠の晩年の姿から、芸人としてどう生きるべきかを学んだという。