使ったら毎回閉めている?開けっぱなしは洗濯機の蛇口に強い水圧がかかった状態に…どんなリスクがあるのか聞いた
暮らしに欠かせない「洗濯機」。とても便利な家電だが、面倒だからと運転終了後も水道の蛇口を開けたままにしてはいないだろうか? 【画像】洗濯機が転倒することも…「防水性の衣類の洗濯・脱水」もNG! しかし、「常に蛇口から水が出ている状態」となるため、水漏れにつながる可能性があるのだ。 基本的に洗濯機は給水弁で閉じられ、また水の逆流を防止する「逆止弁」が備え付けられている場合もあることから本体への影響は少ないとされる。その一方で、多くの洗濯機の取扱説明書には、「運転終了後は必ず水栓を閉じてください」などの記載があり、蛇口の開きっぱなしは推奨していない。 では運転が終わった後も洗濯機の蛇口を閉めない場合、どのようなリスクやトラブルが考えられるのだろうか?一般社団法人 日本電機工業会 電気洗濯機技術専門委員会の担当者に教えてもらった。
蛇口が“閉じにくく”なる例も
洗濯機の蛇口を閉めない場合は“常時水圧がかかった状態”となる。そのため、担当者によると給水弁で閉じられている洗濯機への影響は少ない一方で、 蛇口の接続部やパッキンにも常に圧がかかることから、蛇口側に不具合が発生する可能性が高くなるとのことだ。水漏れなど機器への故障原因になる恐れがあるため、やはり使用したら必ず蛇口は閉めてほしい。 実際に蛇口を開けっぱなしで使っていた結果、蛇口のパッキンが硬くなり、閉じにくくなった例もあるという。 地震などが起きて洗濯機が動いてしまった場合も、ホースが抜けたり破損したりして水漏れなどとなるリスクもあるのだそう。そのほか、食洗機などの水道を使う他の家電でも毎回使用後は蛇口を閉めた方がよいと教えてもらった。 ちなみに一般的な家庭の水道水圧は、地域によって異なるが0.15MPa(メガパスカル)~0.4Mpa程度となり、0.1Mpaでおおよそ10メートルの高さまで水が上がる水圧だという。
洗濯機使用時は“蛇口全開”がおすすめ
一般家庭の水道が意外と水圧があることが分かった。では洗濯機を使う際、蛇口はどれくらい開けるのが適切なのだろうか。 「基本的には洗濯性能、運転時間等に影響しますので、蛇口は全開にしていただけたらと考えます。ただし、ご家庭によっては“ウォーターハンマー現象 ”が発生する場合がありますので、この場合は、水栓の開き具合を調整すると音を抑えることができる場合があります」 “ウォーターハンマー現象”と は、配管内の水の流れが急に止まった時に水の慣性で衝撃などが発生する現象だ。食洗機などの給水弁が自動開閉する際に「コン」といった音がするのを聞いたことがある人もいるだろう。
意外とやりがち?間違った使い方は…
最後に、蛇口を開けっぱなしにするほかにも、意外とやっている人が多い間違った使い方についても聞いてみた。 担当者によると、「カッパなどの防水性の衣類の洗濯、脱水」などがあるとのこと。通水性が低く水が抜けにくいという特徴のある防水性繊維では 、脱水時に“異常振動 ”が起き、洗濯物がとび出したり、時には洗濯機が転倒することもあるなど危険だ。 便利な洗濯機だが、長く使うためにも運転終了後はしっかりと蛇口を閉めて機器に負担をかけないことが大切だ。
プライムオンライン特集班