[国スポ少年男子]6発快勝の東京都を支えた「外せない」選手。MF今井宏亮(東京Vユース)がボールハントを連発
[9.22 国スポ少年男子2回戦 京都府 0-6 東京都 鳥栖スタジアム北部グラウンドB] 【写真】「めっちゃカメラに抜かれてた」「それにしてもかわいい」“勝利の女神”が再び降臨 好選手が揃う京都府相手に圧巻の6発。初戦で大勝し、好スタートを切った東京都はともに2ゴールをマークしたMF四日裕歩(横浜FCユース、1年)やFW川村求(横河武蔵野FC U-15、中3)などアタッカー陣の躍動が目を惹いたが、陰でチームを支えた黒子役の存在も見逃せない。東京都を率いる小野貴裕監督(関東一高)が「外せない(選手)」と一目置くMF今井宏亮(東京Vユース2年)は、3列目の守備で印象に残るプレーを披露した。 早生まれの今井は昨年、鹿児島で行なわれた特別国体も経験。「昨年も国体に出ていたので、初戦は難しい展開になることは分かっていた。自分としてはまず守備から入ろうという気持ちだった」と普段とは違う晴れ舞台での経験をプレーでチームに落とし込んでいく。 ストロングポイントは相手にボールが入った瞬間にガツンと当たるボールハント。「前向きで奪えたシーンが一番気持ちいい。ボールが出そうだなという時の予想と判断という部分は自チームで常に拘りながら練習してきた。そこが自分の強みで、守備に関しては落ち着いて相手を見ながら対応できていた」。言葉通り、序盤から守備でチームに貢献していたが、「気持ちが昂りすぎていた」(小野監督)。 自陣での守備を頑張りすぎたせいで、前線との距離感が離れて思い通りの攻撃ができない場面も見られたが、後半に入ってからはダブルボランチを組むMF下吉洸平(東京Vユース1年)とともにより高い位置での関りが増えたことで、後半だけで5得点を奪うゴールラッシュを呼び込んだ。 自らの学年で挑んだ昨年の特別国体は「自分の代で周りに引っ張られながらプレーしていた」と振り返るが、年齢的にも経験値的にも今年は自らが引っ張る立場。「責任が強いけど、気負いすぎにやっていけたら。引っ張っていくイメージは持っています」と口にする。 今年に入ってからは同い年のチームメイトであるMF仲山獅恩がトップチームで2種登録されたことも今井にとってのプラスになっている。「自チームでもチームにいい影響をもたらせてくれているし、自分に良い刺激になっている。同じポジションなのでライバル視しています」。言葉通り、自身2度目の国体で存在感を示し、ライバルと同じように飛躍を狙っている。 「将来は早い段階でプロに上がりたい。イメージ像はアトレティコ・マドリーのコナー・ギャラガー。プレースタイルが似ていて、ハードワークしたり、守備の刈り取りができる。そういう選手にプロでなりたい」。決して派手ではないが、彼がいるといないとではチームが大きく変わる。守備職人の今井がいる限り、東京都はそう簡単に負けないはずだ。 (取材・文 森田将義)