新型コロナは「11波」鮮明でさらに拡大も 幼児の感染症も増加し、厚労省が注意呼び掛け
厚労省はこれまでに感染症に詳しい有識者から全国の医療機関や高齢者施設などでの感染状況に関する情報を収集した。同省関係者によると、流行の第11波は明らかで、お盆休みが終わった後も流行が拡大する可能性があるという。
飲み薬は5日分で1~3万円の自己負担
医療機関で処方される新型コロナの薬は米メルク社の「ラゲブリオ」、米ファイザー社の「パキロビッド」、塩野義製薬の「ゾコーバ」の3種類の飲み薬があるが、医療費の公費支援は3月末で終了。4月から通常の医療体制になっている。川崎市内にあるクリニックの医師によると、5日分の薬の自己負担額は「3割負担」の人の場合、ラゲブリオとパキロビッドは2万6000円~3万円程度、ゾコーバは1万5000円程度になるという。
一方、2021年2月以降「特例臨時接種」との位置付けで全額公費負担だったワクチンについては、高齢者らを対象にした接種が今秋に始まる見込みだ。厚労省関係者によると、接種期間は10月1日以降来年3月31日までの間で各自治体が決める。対象は65歳以上の高齢者と、心臓や腎臓、呼吸器の機能障害などの基礎疾患を持つ60~64歳。高齢者に多い重症化を予防するのが目的だ。
政府は自治体で異なるワクチン接種の自己負担額が、最大7000円になるよう補助する方針だ。対象となる高齢者ら以外の人が接種を希望する場合、1万5000円程度が原則自己負担になる。
厚労省は、新型コロナが感染法上の5類に移行した現在も陽性と診断された場合は発症日を0日として5日間は外出を控えるよう推奨している。しかし、感染症の専門家や医師らは、診療が有料になった上に5日は実質的な行動制限がかかるために症状が出ても陽性が確定する検査や診断を受けない人も少なくない、と指摘している。
新型コロナのウイルスは街中から消えたわけではなくまだ侮れない。後遺症も怖い。感染者の10~20%で発症するとされ、これまで200種類以上もの症状が報告されている。厚労省研究班によると、後遺症患者のうち8.5%に感染から約半年後も日常生活に深刻な影響があったとする研究結果をまとめている。