86歳・田村セツコ 誰でも平等にある<孤独のさみしさ>。「孤独と仲よくできる人はラッキー。それは年齢も性別も関係ない」
総務省統計局が行った「令和2年 国勢調査」によると、単独世帯の割合が最も高かったのは、男性は25~34歳、女性は75~84歳だったそうです。そのようななか、86歳で現役イラストレーターとして活躍する田村セツコさんは「孤独って、いやだと思うとどこまでもいやだけど、素敵って思うと素敵に思える不思議なもの」と語ります。今回は、田村さんの著書『[ミラクル新書版]孤独ぎらいのひとり好き』から、幸せになるための<孤独論>を一部ご紹介します。 【写真】田村セツコさん「子どものときは、孤独っていうものを理解できなかったんです」 * * * * * * * ◆孤独っていうのは何? 子どものときは、孤独っていうものを理解できなかったんです。 さみしいと感じることはあっても、孤独と結びつけることはなかった。 大人になって知ったのは、芸術的な人は、音楽家でも作家でも、みんな、テーマが孤独だと言っているということでした。 フランスの流行作家でも、フランソワーズ・サガンなんか、インタビューで「人生は孤独な出来事にすぎない」って言ってたから、孤独って何だろうって思ったんです。
◆「孤独でさみしい」は誰でも平等にある そもそも、お母さんのお腹から生まれて、ヘソの緒をチョッキンって切られて、裸でポンッて外に出されるわけよね。 「これから生きていきなさい、あなたの人生が始まりますよ」「Good Luck!」っていう感じですよね。 だから、ヘソの緒を切られたときから、誰でもひとりぼっち。 まるごとひとりで世間に出てきたって感じ。 「裸で生まれ裸で死ぬ」「眠りに始まり眠りに終わる」ってピシッと効く言葉を聞いたことがあります。 なので、孤独でさみしいというのは、誰でも平等にあるものだと思う。 それで、やっぱり孤独をたのしむってことは、すごく難しいってことになっている。 ショーペンハウアーの言葉に、「早くから孤独に馴染み、孤独を愛することができた人は、金鉱を手に入れたようなものだ」というものがあります。 だから、孤独をたのしむっていうのは、本当にどんな人でも難しくって、それができるようになったら、巨額の財産を手にしたようなものだって言われると、そんなに難しいことだったら、頑張って孤独をたのしもうとするのがいいわよね。
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