じつは今が「買い時の旬」高級食材、8万円の「蒸しあわび」もっとも簡単に入手する、意外な方法
『おとなの週末Web』は、手料理の魅力も紹介しています。中でもお酒好きなら、お供になる肴にもこだわりたいところ。自宅で作った様々な料理で「おとなの週末」を楽しんでいる年金生活の元男性編集者が、二十四節気に合わせ、自慢の酒肴を紹介します。連載第1回の「冬至」編「うまい酒肴を『ドカンと食べたい』…物価高騰、年金生活の60代男性が編み出した『身の丈を楽しむ』意外な秘策」」に続く「小寒」編をお楽しみください。 【写真】あわびがドンっ…手作りの蒸しあわびが凄い
年末から年明けはあわびの旬
69歳のオイラ。血圧高めの年金生活ジジイは、ものの値段に敏感です。だから、デパ地下や、有名店の豪華かつ、高価なおせちとはあまり縁がありません。 ところがですよ。数年前、某有名料亭の超高級おせちのカタログで、「蒸しあわび様(クロアワビ使用)」2つが丸ごと鎮座しているお重を発見。 蒸しあわびのお隣には「焼き伊勢海老様」もおられ、値段は8万円を超えていたと記憶しています。8万円の"ワングレード下"のお重は5万円でしたが、そちらには、あわびも伊勢海老の姿もなし。 ざっくりと値踏みすれば、このあわび様は+3万円の価値があるのであろう。 「いつか、食ってやる……」 そう思い始めたことで、魚屋に行くと丸ごとのあわびの姿を探し求めるようになりました。 しかし、東京の街中の魚屋で、丸のあわびを置いてある店はめったにありません。デパ地下のテナント魚屋の「中島水産」や「魚力」などの活けもの水槽でたまに見かける程度ですが、その高値と同時に、「そこにいつからいるのかな……?」との思いがもたげ、買うまでには至りません。 豊洲に行けば、きっとゴロゴロいるのでしょうが、そもそもあわびは業務用の需要が高い品らしく、寿司屋さん、料理屋さんなどが主たる得意先。したがって、本来の旬の時季である夏から秋にかけても街中にはあまり出まわらないらしい。 見かけたとしても、丸ごとのあわびではなく、刺身として切って盛り付けられたものを見かける程度なのです。 ただし、例外の時期があるという。なじみの魚屋の店主によれば、 「正月前と、正月明けは魚屋の店先にも、丸ままで多少は並ぶよね」 とのこと。縁起物として古来から重宝されてきたあわびなので、正月前に欲しい人は当然いる。そこはわかるのだが、さて、正月明けにもなぜ並ぶのかがいまいちわかりにくい。 理由を尋ねると、先の魚屋店主から納得の答えがありました。 「卸のアワビ屋さんが正月用に仕入れたものをさばききれず、残っちゃうからさ。それで、年明けに出てくるの」 なるほど、なるほど、わかりやすい。需要と供給の理由からなのですね。