J2京都新監督のチョウ氏は”パワハラ事件”からの出直しをどう誓ったか?
新天地のファン・サポーターへ向けた第一声に、新監督の思いの丈が凝縮されていた。 「前チームの湘南ベルマーレで私自身が引き起こしてしまったハラスメント行為について、被害者のみなさまや関係者のみなさまに多大な迷惑をかけたので、この場をお借りして謝罪したいと思います」 ホームのサンガスタジアム by KYOCERA内で20日に行われた、J2の京都サンガF.C.の2021新体制発表会。動画投稿サイトYouTubeのクラブ公式チャンネルでも配信された会見のなかで、今シーズンから指揮を執る曹貴裁(チョウ・キジェ)監督(52)は、湘南監督時代の指導の一部がパワーハラスメント行為と認定された騒動に真っ先に言及してから、再出発にかける思いに言及した。 「その時期から約1年半プロの現場を離れ、さまざまな研修を受けて、いまこの場に立たせてもらっています。京都は僕自身が生まれ育った町で、サッカーのエネルギーをもらい、サッカーに育ててもらった自分が、こういう素晴らしいスタジアムで新シーズンを迎えられることに心を躍らせています」 湘南監督として8シーズン目を迎えていた2019年8月に、一部スポーツ紙がパワハラ疑惑を報道。Jリーグが主導した調査でパワハラ行為が認定された直後の同年10月に湘南を退団し、日本サッカー協会からは監督を務めるために必要な公認S級コーチライセンスの1年間停止処分を受けた。 昨年3月からは研修の一環として、流通経済大学サッカー部のコーチに就任。同大学の中野雄二監督から「また堂々とJリーグの舞台に立ってほしい」と背中を押され、コロナ禍のなかで大学生を指導しながら「スタッフ、選手の一人ひとりの気持ちや想いの深い部分まで理解する姿勢を学んだ」と振り返る。 昨年10月には公認S級コーチライセンスの資格停止処分も解除されたなかで、曹監督をして「一緒に高みを目指していこう、という言葉をかけていただいたことはこの上ない喜びだった」と言わしめたオファーを受け、府立洛北高を卒業して以来となる生まれ故郷への帰還を決めた。