森保ジャパンはドイツでのエクアドル戦で何を得たのか?
ロシアワールドカップでは出色のプレーで、西野ジャパンの攻撃を差配した。残像があまりにも眩いからこそ、森保ジャパンでの現在地に対してネガティブな声が届く。ラ・リーガ2部でプレーして4シーズン目を迎えている現状も追い打ちをかける。 「僕もそれなりに経験を積んできたなかで、気にするとか、あるいは考えても仕方のない部分と、自分がフォーカスすべき部分との整理がつき始めている。結局、自分にコントロールできる部分だけを考えていくことが大事になると思うので」 信じた道を進むだけとも強調していたが、アメリカ戦でさらに評価を高めた、遠藤と守田英正(27、スポルティング)のダブルボランチの牙城には遠く及ばなかった。 エクアドルの速くて強いパス回しやカウンター、そして球際での強さに後塵を拝し続けた前半。日本の唯一といっていい得点チャンスは40分に訪れた。 相手ペナルティーエリア内で南野が執拗にボールホルダーを追う。ゴールライン際で相手にターンさせ、苦し紛れに出させた縦パスが向かった先はエクアドルの味方選手ではなく、ペナルティーエリア内へ入り込んできていた古橋だった。 左足のトラップから、間髪を入れずに左足を振り抜く。しかし、強烈な一撃はGKエルナン・ガリンデス(35、アウカス)に止められた。無念の表情を浮かべた古橋はハーフタイムに、FW上田綺世(24、セルクル・ブルージュ)との交代を命じられた。 ヴィッセル神戸から加入した昨シーズンに、公式戦で計20ゴールをマーク。セルティックのスコットランド・プレミアリーグ制覇に貢献した古橋は、今シーズンも6ゴールをあげて得点ランキングのトップタイに名を連ねる。 しかし、森保ジャパンではまったく異なる軌跡を残している。 エクアドル戦を含めて16試合に出場して3ゴール。しかも、最後にゴールネットを揺らしたのはセルティックに移籍する前の、昨年6月7日のタジキスタン代表とのカタールワールドカップ・アジア2次予選となっている。 自分のストロングポイントは熟知している。 「裏抜けであるとかゴール前での駆け引きといった嗅覚の部分は、僕の強みだと思っている。いまも成長している段階だし、まだまだ伸びると思っている」 こう語っていた古橋だからこそ、アメリカ戦でトップ下に君臨した鎌田大地(26、アイントラハト・フランクフルト)や、左サイドで存在感を示した久保建英(21、レアル・ソシエダ)らのパサーと組ませれば違った結果が生み出されたかもしれない。 ただ、今回の遠征には招集されていないFW大迫勇也(32、神戸)を主軸にすえてきた森保ジャパンは、最前線をポストプレーヤーが務める形が浸透している。実際、エクアドル戦の後半はポストプレーで奮闘した上田のプレーを介して、34分にMF堂安律(24、フライブルク)が決定的なシュートを放っている。