待ち時間0秒の衝撃。ハワイ到着後の入国が断然早くて簡単になる「MPC(モバイルパスポートコントロール)」アプリの使い方
ホノルルの空港に降り立った瞬間、ハワイ独特の甘い香りと暖かな空気に包まれる!……という瞬間を迎える前に必要なのが入国審査。長蛇の列を経験した人も多いことだろう。 【画像】ハワイのダニエル・K・イノウエ国際空港(ホノルル空港) アメリカ税関・国境警備局は、今年からアメリカ入国手続きの簡略化と待ち時間短縮を目的に、「MPC(モバイルパスポートコントロール)」アプリの提供を始めた。実際に使ってみると待ち時間ががぜん短くなったので、その使い方を解説しよう。 今回体験した際のタイムスタンプ 午前7時45分:飛行機が空港に到着 午前7時58分:アプリ起動して申請 午前7時59分:入国審査場に到着 午前8時00分:MPC専用レーンへ 午前8時01分:入国審査が完了 ■ モバイルパスポートコントロール(MPC)とは モバイルパスポートコントロール(MPC)は、対象となる旅行者がアプリを使用して、渡航書類、写真、税関申告情報を提出できるサービス。アプリは無料。 □どんなメリットがあるの? MPCを利用して、入国審査で受ける質問へ事前に回答しておくことでアメリカ入国手続きが効率化され、入国審査の待ち時間と審査時間を短縮できる。英語でのやりとりが最小限で済むのは、気分的にも楽になるかも? □利用できる人は? 1. アメリカ国籍保持者 2. 米国永住権保持者 3. カナダ国籍の米国B1/B2ビザ保持者 4. ESTA(ビザ免除プログラム)を利用して渡航する旅行者で、渡航が2回目以降 □注意点 ・条件にあるように、ESTAを申請して初めてアメリカに入国する人は使えない ・アプリの対応言語は英語のみ ・到着地で通信できるスマホなどのデバイスが必要(到着した空港で入国審査までの間に、顔写真を撮影して送信するなどアプリの操作が必要となる) ・出発前に目的地がアプリ利用対象の空港かどうかを確認(ハワイのダニエル・K・イノウエ国際空港は利用可能) 確認方法は、MPC紹介ページの「Where can eligible travelers use MPC?」または、アプリの最初の画面下に出てくる「View Supported Location」で簡単に見られる。 ・MPCを活用してもパスポートは必要 ■ 実際の使い方とその流れ ハワイ在住の筆者が日本へ帰国。ハワイに再び入国する際に使ってみた。家族で入国する場合は代表の1人が全員分を入力すればOKだ。 おおまかな流れ 渡航前: 1. アプリをダウンロード(Google Play/App Store) 2. 渡航者情報を登録 3. 税関申告書の質問に回答 目的地の空港到着後: 4. 顔写真撮影して申請 5. MPCの専用レーンへ並ぶ □使い方 質問1:市販用商品を所持していますか? 質問2:10000米ドル相当額を超える現金を所持していますか? 質問3:免税を超える額の物品を所持していますか?(免税額はアメリカ在住者は800ドル、フライトクルーは200ドルまで) 質問4:果物、野菜、植物、種、食品、昆虫、肉や肉製品、乳製品、動物、カタツムリ、土などを所持していますか? 質問5:アメリカ国外で、酪農家・農家などで家畜に触れましたか? 質問6:病原菌、細胞培養物、生物学的研究材料を持ち込んでいますか? 質問に答え終わると、「What is your purpose of travel?」と聞かれるので、旅行の目的を回答する。観光はPleasure、出張はBusinessを選択する(永住権の場合はこの質問は省かれる)。 これで渡航前の準備は完了となる。 ■ ホノルル到着後 ■ 永住権よりも早い? 入国審査の待ち時間が0秒 到着日の混み具合によるが、筆者の場合、飛行機に空席があるほど日本からの渡航者数が少ない日で、入国審査の待ち時間がなんと0秒だった。入国審査場の一番端にあったMPC専用レーンまで行くと誰も並んでいなかった。通常、永住権といえど5分~10分くらい待つが、0秒はこれまでで初めてのことだった。 渡航前のアプリへの渡航者情報の入力は、慣れてしまえば5分くらいでできる。また、入力した渡航者情報はアプリ内に保存されているので、次の渡航時に入力は不要なので、次回の渡航はさらに準備の時間が少なくなる。 まだまだ広まってないように実感したが、入国審査の簡略化に加えて利用者が少なかったこともあり、空港での待ち時間が大幅に短縮できたモバイルパスポートコントロール。ぜひ使ってみてほしい。
トラベル Watch,大澤陽子