“防衛国債”は「未来の世代に対する責任として取り得ない」岸田首相会見12月10日(全文2完)
新型コロナの感染症法上の扱いは見直すべきか
記者:時事通信の石垣です。新型コロナ対策でお伺いします。新型コロナの感染症法上の扱いについて、現在の2類相当を季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げることを含めた検討が始まっております。致死率や重症化率が低下していることを踏まえて、より一般の病気に近い対応をすることで経済を回していくべきだという考え方もありますけれども、首相はこの見直しについてどういうふうにお考えでしょうか。先ほど、年末年始を乗り越えて平時の生活を取り戻そうというふうにおっしゃいましたけれども、見直すとしたらいつごろ、どのような状況になれば、それが可能になるというふうにお考えでしょうか。 岸田:新型コロナについては行動制限を行うことなく夏の第7波を乗り越え、9月にはウィズコロナに向けた新たな段階への移行の全体像をお示しし、そして感染症法上の扱い等についても全数報告の見直しや療養期間の短縮、こういった緩和をすでに行っております。社会経済活動との両立をこうした形で進めているところですが、新型コロナの5類への引き下げを含めた感染症法上の扱いのさらなる見直しについては、これ、衆議院における感染症法案の修正も踏まえて、厚労省において、コロナウイルスの病原性の評価等について、専門家による議論、これを開始いたしました。こうした専門家の意見を聞きながら、最新のエビデンスに基づき、議論を進めていきたいと存じます。 いつまでにということでありますが、これについては今、言った形で議論を進めながら、この感染状況等をしっかりと確認をした上で、専門家の皆さんの意見も聞きながら判断をしていかなければならないと思っています。 司会:それではテレビ東京、篠原さん。
政治への信頼を毀損しかねないのでは
記者:テレビ東京、篠原と申します。防衛費の財源について重ねて質問させていただきます。国民負担を明確に示して、理解を求めるというのは1つの政治の見識であると思う一方、やはり参議院選挙の時点で、ある程度、国民負担を求めるのであれば、そういった税負担の可能性も含めて国民に問うべきではなかったかというふうにも思うわけですね。そういう意味では、やはりそういう、選挙の公約なく増税という話が出てきたことで、総理が普段大事にされている政治の信頼という点で、そこを毀損しかねないのではないかという思いもあるんですけれども、この点については、総理はどのようにお考えでしょうか。 岸田:先ほども申し上げましたが、内容と予算と財源について一体に考えていく、議論していく。こういった方針を年の初め、通常国会からずっと申し上げてきました。そうした議論を続けていく中で議論が詰まっていき、そして財務省に最大限の努力をする中で、新たに必要となる財源の4分の3を賄うめどが立った。しかし、残りの部分については、これ、今の世代も含めて、国民の命や暮らしを守るために必要な財源をどう賄うのか。また、今の世代の負担を避けて、それを未来に付け回すことが今の世代にとって、未来に向けての責任を果たしたといえることになるかどうか、これを考えなければいけない。こうした議論が詰まってきたわけであります。参議院選挙の時期を乗り越えて、こういった議論が詰まってきて、今、国民の皆さんにこのご協力をお願いしなければいけない、こういったことを申し上げているわけです。 これ、議論の積み重ねによってこういったことになった、こうした経緯について国民の皆さんに説明する、これは大変重要なことだと思いますし、その意味について丁寧に説明をする、これは重要なことだと思います。国民の皆さんに選挙を通じて、その考えを問う、これは選挙の時期等に合わせて、いろいろ、選挙の公約等で訴えることはもちろん大事だと思いますが、選挙の時期にかかわらず政治はずっと動いています。その動きの中で、今こういった議論が詰まっている。