「円満退職」をするために必要な3つの準備
新たなキャリアを目指すにせよ、大学などで学び直すにせよ、単にしばらく休養するにせよ、退職は重大な決断であり、綿密な計画が必要だ。貴重な人間関係を維持しつつ新しい立場にスムーズに移行できるよう、準備しなければならない。 競争の激しい今日の雇用市場にもかかわらず、多くの社会人がより良い職場への転職を選んでいる。Statistaの調査によると、米国における最も一般的な退職理由は、低賃金、昇進機会の制限、職場における敬意の欠如などである。明らかに、多くの人が変化を求めている。 いざ退職するとなったときは、新しいキャリアへの旅立ちとして前向きな退職を実現するために、次の3点を念頭に置こう。 ■次の仕事の当てを確保する まだ仕事のオファーも転職の計画も決まっていない段階で退職するのは、一番避けたいことだ。当てがないのに退職してしまうと、経済的に負担がかかる可能性もあるし、仕事をしていない期間が長くなり、将来の雇用主を警戒させてしまうかもしれない。そのため、現在の会社を辞める前に、次のステップを確実にしておくことが重要だ。 企業の面接を受け、内定をもらっている場合は、正式に退職する前に、新しい仕事のオファーや契約書に署名までされていることを確認しよう。 休職やキャリア転換のために退職する場合は、まだ次の仕事のオファーがないこともある。ただし、その場合でも今後3カ月、6カ月、12カ月先のプランを必ず立てておこう。新しい分野への転身、フリーランスやコンサルティングへの転身、あるいは独立開業に向けて、十分な貯蓄があるかどうかを検討しよう。 退職を考えているが、辞める前に仕事を見つけるのが難しいと感じているなら、転職支援のプログラムや転職サイトに登録しておくこともできる。
現在の雇用主からの反撃に備える
■現在の雇用主からの反撃に備える 退職を正式に申し出ると、上司やマネージャーからさまざまな反応が返ってくることが予想される。理解を示す人、失望する人、怒る人、あるいは留まるよう説得してくる人もいるかもしれない。感情的な反応をされたとしても、そもそもの退職理由を思い出し、流されないようにしよう。あなたの決断は、あなたのキャリアにとって最善の選択であることを丁寧に説明するのだ。 退職時期は、できれば繁忙期や大きな締め切りの直前は避け、社会人としてのプロ意識を示しながら、良好な関係を維持できるようにしよう。会社にとって重要な時期に退職すると、あらぬ噂が立ったり、同僚に裏切り行為だと思われてしまったりするおそれもある。 雇用主が退職面談を行う場合は、正直であることを心がけ、友好的に立ち振る舞おう。経営陣や同僚を批判するのではなく、自分の経験についての建設的なフィードバックに重点を置こう。 ■良い形で仕事を終える たとえ職場の環境が有害なものであったとしても、以前の雇用主との関係を悪くすることはおすすめしない。そのため、退職が決まったとしても、最終日まで自分の能力を最大限に発揮して仕事を続けよう。 自分の職務や進行中のプロジェクトに関する詳細なメモや文書を準備して、後任者のトレーニングを手伝ったり、自分の責任の移行を支援したりすることを申し出よう。そうすればチームに与える混乱を最小限に抑え、あなたの仕事を簡単に引き継げるようにする、というコミットメントを示すことができる。 退職後も、LinkedInなどのプラットフォームを通じて同僚との関係を維持しよう。SNSと就職活動に関して行われた2017年の調査でも示唆されているように、強固なネットワークを持つことは、将来的に仕事を紹介してもらったり、オファーをもらったりなど、今後のキャリアにプラスになる。 退職に際しては、さまざまな感情が沸き起こる。しかし、進行中のプロジェクトの完了に集中し、転職期間中も明確なコミュニケーションを維持し、次のステップを徹底的に計画することで、そのプロセスを一歩一歩進めていける。このアプローチは、重要な人間関係を維持するだけでなく、社会人としての評判を高めることにもつながるだろう。
Sho Dewan