【熊本競輪・GⅢ開設記念】中川誠一郎 特別インタビュー 「悔しさなくなれば辞める」/10月3日開幕
「涙もろくなった」
――8年間は長かったですか。 「長かった分、何とかそこまではという気持ちで頑張れた部分はあります。もうちょっと早く再開してくれていたら、全盛期で走れたかなという思いも、半々くらいあります」 ――再建記念FⅠで約9年ぶりに熊本での開催を走りましたが、新しい走路の印象は。 「熊本の500バンクは3番手でも十分チャンスがありました。今回400に改修されたんですが、その感じを残して、いい引き継ぎ方ができていると感じました。その分、少しクセはあるんですけど」 ――以前の熊本500バンクは好きでしたか。 「はい。好きでしたけど、なぜか成績は良くかったですね。代替開催された久留米バンクでは地元記念を3回取れたんですけどね」 ――再建記念FⅠでは、初日に「涙がこぼれそうだった」と話していました。 「涙もろく、こらえきれなくなってきた。弱ったのもあるんでしょうね。昨年の熊本記念でも、同じ支部の(中本)匠栄が優勝して泣いてしまいました。でも本当は、人のことを喜んでいる場合じゃない。もっと悔しさの方を出せないといけないはずなんです。その割合が変わってきたんでしょうね」
「再建記念の熱気を日常のものに」
――再建記念FⅠは熊本の嘉永泰斗選手が優勝。 「もちろん、それも良かったという気持ちです。でも、あまりにも人に『泰斗が勝って良かったね』と言われると、自分の心の小ささが出るんです。自分も勝つつもりで走っていたので。次に向けてリセットしたつもりでも、心の傷をまたえぐられますね」 ――それはまだ悔しさが残っているということですね。 「そうですね。その悔しさがなくなったら、辞めます」 ――再建記念FⅠは大勢のファンの前で大声援を受けました。 「すごかった。今後は毎回、お客さんを満員にしたい。あのときの熱気を普通にしないといけないと思っています」 ―熊本記念でも満員のファンに応えたいですね。 「復興フェーズのときのように先頭に立って、とはできないかもしれない。でもちょっとでも盛り上げの助けになるように頑張りたいです」 ――9年ぶりの熊本での地元記念へ意気込みを。 「無理はしないけど、諦めもしていない。チャンスがあればという気持ちは持っています。ちょっとでも、あらがうしかないですね」