妊娠糖尿病になった女性 健康リスクは? 1日2回、指に針刺し血糖測定「はじかれたような痛み」…発症する人増加とも
妊娠してから血糖値が高い状態が続く「妊娠糖尿病」になる人が増える傾向にあるといいます。妊娠糖尿病になると、難産になるなど、母子ともに悪影響が及ぼされます。どのような人がなりやすいのでしょうか。 【図表】妊娠糖尿病の診断基準は?
第1子妊娠中は診断されなかったのに…
千葉市のあいりさん(37)は2024年10月、第2子を授かったことが判明した。妊婦健診の血液検査で血糖値が高く、その後、精密検査(75gブドウ糖負荷試験)を受けると妊娠糖尿病と診断された。2歳になる長女を妊娠した時は診断されておらず、「ショックでした。つわりがひどかった時に、食事の栄養バランスが崩れてしまったせいかもしれません」と振り返る。 妊娠糖尿病になると、赤ちゃんに供給される糖分が多くなり、おなかで大きく育ちすぎてしまう恐れがある。その結果、出産時に赤ちゃんの肩が産道にひっかかる「肩甲難産」になったり、自然分娩(ぶんべん)ができずに出血を伴う帝王切開を余儀なくされたりする。また、妊婦が妊娠高血圧症候群になったり、羊水が多くなったりし、早産のリスクも高まる。
ご飯の量は半分に
あいりさんはこうしたことを防ぐため、食事に気を配っている。サラダなどの野菜、肉や魚といったたんぱく質、白米などの炭水化物の順に食べ、食事による血糖値の上昇が緩やかになるよう心がけている。自分用のご飯は、家族の分とは別に炊く。血糖値が上がりやすい白米は少なめにし、麦を混ぜる。量も、妊娠前よりも控えるようにしている。「3食食べてもおなかがすく」とあいりさん。そうした場合は、ナッツでしのぐ。 もう一つ、つらいのは、毎日、血糖値を測らなくてはならないことだ。朝食を取る前と、朝昼晩のいずれかの食事の2時間後の計2回、手の指先に針を刺して血液を絞り出し、測定装置にかける。「気温が下がって空気が乾燥してきたせいか、針を刺すと指先にはじかれたような痛みを感じます。爪の部分の皮膚が硬くなったように感じていて、指を変えながら血液を採取しています」。食事に気をつけていることもあってか、今のところ血糖値は安定している。「妊娠中期になると、血糖値が高くなりやすいと主治医から言われていて、この先、不安です」と話す。