ペプチドで体重が減るって本当? 知っておくべきことを医師が解説
ペプチドで体重は減る?
ペプチドに体重を減らす効果は期待できるけれど、すべてのペプチドが体重に影響を与えるわけではない。「ペプチドを減量に使用できるかという質問は、薬を減量に使用できるかという質問に似ています。減量に使用できない薬は無数にありますが、使用できる薬もあります。ペプチドも同様です」とビュートナー博士は語る。 また、カリフォルニア州ファウンテン・バレーのオレンジコーストメディカルセンターにあるメモリアルケア・サージカル・ウエイト・ロス・センターのメディカル・ディレクターで肥満外科医のミル・アリ医学博士によると、減量に効果があるペプチドは、通常腸内で食物が移動するスピードを遅くすることで食欲を下げるという。
減量効果のあるペプチドの種類とは?
この種のペプチドは多数ある。「GLP-1受容体作動薬は、体内のペプチド生成を促進し胃が空になるのを遅らせるよう製剤されています。GIP/GLP-1受容体デュアル作動薬の場合は、消化、空腹感、満腹感に影響を及ぼします」とアリ博士。また、ビュトナー博士は「これらのホルモン/ペプチドは、どちらも体重管理に効果が期待できます」と話している。体重減少にいいペプチドにはいくつかの種類があるけれど、現在市販で手に入るもっとも一般的な種類は以下の通り。 ・セマグルチド(オゼンピック、ウゴービ) セマグルチドはGLP-1受容体作動薬であり、オゼンピック(2型糖尿病の治療用に作られた薬)やウゴービ(肥満薬)もこれに含まれる。どちらも米食品医薬品局(FDA)によって承認された注射薬。オゼンピックのウェブサイトでは、この薬を服用した人々が最大6.3kg減量したと紹介しているが、この薬は「減量薬ではない」とも強調している。ウゴービのウェブサイトには、成人の体重が平均で約15%または約16kg減少すると書かれており、実際に減量薬として承認されている。 ・チルゼパチド(マンジャロ、ゼップバウンド) この薬はGLP-1/GIP受容体作動薬であり、根本的にはセマグルチドに似ていますが、体内の別の受容体(GIP)を標的にします、とアリ博士は説明する。これらの薬には、2型糖尿病の治療薬として米食品医薬品局承認済みのマンジャロや、減量を目的とするゼップバウンドなどがある。ゼップバウンドのウェブサイトには、17か月の臨床試験中に最大約21kg減量した人もいると記載されている。 ・リラグルチド(サクセンダ) サクセンダという名前で販売されるリラグルチドは、減量用に承認されたGLP-1受容体作動薬。研究では、サクセンダを服用した3人に1人が体重の10%以上減量したことが分かったという。 「販売されているサプリのなかには、研究も規制も十分にされていないものがあります」とアリ博士。そのため、国の機関が承認していない商品を服用するときは必ず事前にリサーチし、新しいダイエットプランを始める前に必ず医師に相談しよう。