【Q&A】富士山の噴火は本当に起こるの? もし噴火した時の影響は?【図解】
静岡県と山梨県にまたがる日本で一番高い山、富士山。日本有数の登山・観光の対象地ですが、過去に何度も噴火を繰り返している活火山という側面も併せ持っています。300年以上噴火から遠ざかっていますが、もし、今、富士山が噴火したらどのような影響があるのでしょうか。
Q:富士山の噴火って本当に起こるの?
A:富士山は、歴史的に何度も噴火を繰り返しています。最後の噴火は今から300年以上前、江戸時代の「宝永噴火」(1707年)です。しかし、過去にさかのぼると、約5600年の間に少なくとも180回噴火したことが判明しており、いつ噴火してもおかしくないと考えられています。
Q:富士山で噴火が起こると、どのような危険な現象が起きるの?
A:気をつけたい主な現象には、火口から噴出した非常に高温のマグマが地表を流れ下る「溶岩流」。高温の火山灰や大小さまざまな岩の塊、火山ガスや水蒸気などが一体となって高速で斜面を流れ落ちる「火砕流(火砕サージ)」などがあります。火砕流(火砕サージ)は、時速100km以上の速度になることもあり、火山現象の中でも人命を奪う可能性が高いものの一つです。 また、噴火に伴って空中に噴出される「噴石」は、おおむね20~30cm以上の「大きな噴石」となると、コンクリートの建物にも穴をあけるような大きな破壊力を持っています。 降灰は、直接命を奪うような危険性はほとんどないものの、風に乗って広い範囲に火山灰が運ばれるため、陸・空の交通機関の停止、停電、断水などが広域で長期間にわたり発生し、社会の機能麻痺が起きる可能性があります。
Q:富士山が噴火したら溶岩流はどこまで達すると想定されているの?
A:静岡、山梨、神奈川の3県などで構成する「富士山火山防災対策協議会」が2021年3月、17年ぶりに富士山ハザードマップを改定しました。これに伴い、被災自治体は静岡、山梨の2県15市町村から、神奈川県を含む3県27市町村に拡大されました。火口の位置や噴火の規模によっては、東西を結ぶ大動脈の東名、新東名高速道路まで最短2時間前後、東海道新幹線まで5時間で到達するおそれがあります。