【Q&A】富士山の噴火は本当に起こるの? もし噴火した時の影響は?【図解】
Q:火山灰はどこまで達するの?
A:宝永噴火の時は、当時の江戸でも数センチ積もり、現在の千葉県北部でも降灰が記録されています。どこまで達するかについては、噴火時の火山灰の噴出量や風向きや風速などによっても変わりますが、国の検討会が2019年、宝永噴火と同規模の大噴火が発生し、15日間続いたとの想定でシミュレーションを行っています。これによると、影響下の人口・資産が大きくなる西南西の風が卓越したケースで、最終的には東京都新宿区で約10cm、三鷹市で15 cm以上、相模原市で約30 cm積もるとの結果が出ています。
Q:火山灰は社会にどのような影響をもたらすの?
A:鉄道は微量な降灰で地上路線の運行が停止します。視界の悪化や道路上の降灰の影響で、道路を安全に通行することは困難になると考えられます。このような影響で、人口の多い都市部では、生活に必要な物資が不足するでしょう。また、電力、通信、上下水道などにも影響が出る可能性があります。
Q:噴火は予知できるの?
A:富士山は、国や研究機関などによって地震計や傾斜計などさまざまな機器が設置されている、国内でも観測体制が充実している火山の一つといえます。このため、地下から上昇するマグマや水蒸気の動きなど、噴火の前兆と考えられるような現象を捉える可能性は高いでしょう。しかし、前兆現象があっても噴火しないケース、あるいはそのような前兆現象の観測からごく短時間で噴火に至るケースなど不確実性が大きいため、現在の科学技術では、いつ、どこで、どのような噴火が起きるのか、事前に正確に予測することは難しいでしょう。