【独占】横浜DeNA三浦監督が語る“番長野球”「外国人が開幕に間に合わないからオレたちが弱くなったと思われていいのか?」
球数は100球程度に抑えながら、逆に登板間隔を中5日に縮めることを模索したいという。三浦監督自身も、年月をかけながら完投能力を高めた。 「勝つためにはどうすればいいか。5回じゃ勝てない。6、7回を投げていかなくてはならないということが、わかってくれば、どういう練習が必要かがわかります。ゆくゆく、そこにたどりつけば」とのビジョンがある。 ラミレス監督は「データ8割、感性2割」の野球を貫いた。三浦監督も、オープン戦では、オリックスの吉田正に対して、三塁の宮崎に一、二塁間を守らせ、セカンドベースから右に3人を並べる大胆なシフトディフェスを敷いた。 「どういう傾向が出ているのか。データは参考にします。シフトにしても、そこに打球が飛ぶ確率が高ければ本番でも使いますよ」 横浜DeNAは2017年にチーム戦略部の中にリサーチ&デベロップメント(R&D)グループを立ち上げトラックマンデータを利用したIT戦略に取り組んできた。投手、球種、状況に応じての打者ごとの打球方向もすべて数値化。三浦監督は、ラミレス監督が用いたデータ野球は、継承する考えでいる。 一方でラミレス監督のデータ野球の中には疑問を抱きたくなるようなものもあった。そのひとつが野手の本拠地データの優先。投手は、マウンドなどスタジアムによる相性はあるが、野手の場合、本拠地データよりも対戦相手のデータを優先すべきだろう。 「本拠地、ビジター、相手もあることです。実は、データは相手も持っていて、対策もやってくるので、その読み合いもあります。基本(データより)状態のいい選手を使いたい」 三浦監督の方針はデータよりも調子の優先である。 スタメンの人選はもとよりキャッチャーの起用に関しても「状態優先起用」の方針で挑む。ラミレス監督は、投手との相性を重視し、濱口に高城、平良に戸柱などのセットで起用をして主に4人の捕手を使ったが、三浦監督は、相性より「状態のいい選手」である。 ただ難しいのは、その状態の判断。数字なのか。練習も含めた動きなのか。そして誰が決めるのか。三浦監督は「コーチの意見を聞きます」という。 「僕が見て感じる部分もありますが、ふだんから接しているコーチに、まず話を聞きながらスタメンを決めたい。ときには意見が違うことがあるでしょう。最終的には僕が決断します」 実は、これは難しい野球である。ラミ流にデータで判断した方が迷いはない。 だが、野球はコンピュータ―ゲームではない。 三浦監督の選択した野球は“番長”らしい人間が躍動する野球だ。 では、“番長野球”とは何なのか? 「どうなんですかねえ。番長チルドレンとか言ってもらえているけど、その活字には違和感を感じているんですが」と、苦笑いを浮かべて、こう続けた。 「自分の野球は“これ”というよりも、臨機応変に色んなものを取り入れてやっていきたい。すべてがうまくいけば苦労はしません。たいへんなことは色々あると思う」 打倒・巨人…そして、昨年負け越した中日、阪神の対策は? 独占インタビューの後編では“番長野球”の秘策に迫る。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)