今の時期も油断大敵の<エアコンによる冷え>。自分で温度調節できない場所ではどう身を守る?有効な対策を中医学専門家が解説
強いストレスや緊張を感じると、「胃がキリキリと痛む」「つい暴飲暴食してしまう」「お腹をくだしてしまう」という方もいるのではないでしょうか。メンタル不調と密接に関係する<胃腸>について、漢方コンサルタントの櫻井大典さんは「じつは多くの現代人が、知らず知らずのうちに胃腸を冷やし、負担をかけてしまう食事と生活をしている」と指摘していて――。そこで今回は、櫻井さんの著書『胃腸をあたためると心の不調が消える: 心も体も自然と元気になる食事と暮らし』から、心と体が元気になるコツを一部ご紹介します。 【書影】弱ったメンタルを強くするために、胃腸をあたためて元気にする食事と暮らしをご紹介。櫻井大典『胃腸をあたためると心の不調が消える: 心も体も自然と元気になる食事と暮らし』 * * * * * * * ◆エアコンを調節できない場所では冷えからどう身を守る? 胃腸を元気に維持する、ひいては心の元気を維持するためには、冷えが大敵です。 しかし、職場など自分でエアコンの温度調節ができない場所に長時間いなければいけないときは、どうやって冷えから身を守ればいいでしょう。 一番大切なのは、“肌に風が直接当たるのを避ける”ことです。 中医学では、風の邪気(じゃき)(病気の原因となる外敵)を“風邪(ふうじゃ)”といい、これが皮膚や粘膜に付着すると、くしゃみや鼻水、頭痛といった風邪(かぜ)のような症状が出ると考えます。 だから、エアコンの風が運ぶ邪気が皮膚につかないよう、ブランケットやストールなどで素肌を覆い肌を守ることが、第一の対策です。 鼻や口の粘膜も露出を避けたほうがよいので、マスクをするのもおすすめです。
◆有効な冷え対策 また、かなり寒いと感じる場合は、貼るカイロでお腹と背中をあたためましょう。 お腹にある関元(かんげん)というツボのあたりと、背中の腎兪(じんゆ)というツボのあたりにカイロを貼り、体の表と裏、つまり両側からサンドイッチしてあたためるのがおすすめです。 ※関元(かんげん)……おへそからまっすぐ指4本分下にあるツボ。体の元気が集まり、全身をあたためる。 ※腎兪(じんゆ)……背中の、ウエストラインの高さの背骨から、左右に指2本分外側にあるツボ。内臓の血液の流れを促し、体全体を元気にする。 また、乾布摩擦(かんぷまさつ)をこまめにするのも冷え対策として有効です。 乾布摩擦といっても洋服を脱ぐ必要はありません。服の上からでいいので、こまめに“手でさする”を繰り返すと、冷え対策になります。
【関連記事】
- 「食欲がない」「ドカ食い」という真逆の状態、実はどちらも<同じ原因>だった?中医学専門家「異常な食欲があるときに確認してほしいことは…」
- 心と胃腸が弱ったときこそ<おかゆ>を食べるべし。「胃腸薬」とも言われる効果とオススメの具材を紹介!専門家「もし、おかゆすら食べる元気がないなら…」
- 「健康やダイエットのために1日2リットル以上の水を飲む」は中医学の観点ではオススメできない?専門家「一気にガブガブ飲むのは意味が…」
- 消化器内科医に聞く、酷暑に胃腸の調子を整える3つのポイント。辛い物を避け、腹八分目、もう1つ気を付けるべきは?
- 胃腸、冷えていませんか?胃腸を整える4つの生活術とは?正しい姿勢も重要。魚なら刺身、卵なら半熟などが消化に良い