SUPER GT第5戦プレビュー 変更された予選方式による影響は? 残暑厳しい鈴鹿は、再び350kmの戦い
次いで、タイヤ持ち込み本数について。基本的に、公式練習開始から決勝レーススタートまでにマーキングされるドライタイヤは最大4セット(300kmレースの場合)となっているが、GT500クラスでは、今シーズンの第1戦から第3戦までの未勝利タイヤメーカー供給先競技参加者に対し、大会ごとに2セットの追加が許可された。結果、ダンロップとヨコハマを装着するチームでは、持ち込みセット数が増えることに。シーズン中はタイヤテストが極めて限定されるだけに、該当チームとすれば、タイヤセットの追加は心強いことだろう。
・大きく変わるGT300の予選
参加台数が多いGT300クラス。これまでQ1は、全27台を2組に分けて実施していたが、気温や路面温度、さらにはコースの状況を含めコンディションの変化を受けて不公平が生じやすいのでは、という声が上がっていたと言う。Q1とQ2のタイムを合算するために及ぼす影響も否めないという判断から見直すことになり、組分けをやめて全27台によるQ1が実施される。台数が倍増するため、走行時間もこれまでの倍の20分間になった。
Q1の結果を受け、Q2では、上位14台を「Upper(アッパー)14」とし、その他を「Lower(ロワー)15」に組分け。また、第4戦まで実施していた合算タイムによるアッパーとロワー各4台の入れ替えも廃止する。なお、GTAとしては、タイム合算方式についての議論も重ねてきたとのこと。ドライバーやチーム関係者だけでなく、レースファンからも”分かりにくい”という指摘を受けていることを認めつつ、予選方式の根本まで変更することになれば、あまりにも変化が大きいため、ルールとして見直し可能な範囲で変更する方向に落ち着いたようだ。
果たして、20分間に全27台が出走するQ1はどのようなセッションになるのか。コースインするタイミングはもちろんのこと、コース上で何台のクルマがウォームアップ/アタックしているのか、見極めるのは至難の業かもしれない。最善の状況でアタックに向かうためのチームの総合的な判断力も欠かせない。残り時間をにらみつつ、自分の走りだけに集中できればよいのだが、コース上のトラフィックも意識しつつ、様々な情報を頭に入れながらのアタックに挑まなければならない。担当ドライバーにとって、これはかなり”重労働”になるはず。変更後初となる鈴鹿でQ1は、予期せぬ展開になる可能性もあり、ファンとしては不確定要素の面白さを味わえるかもしれない。